中国は変わった?変わっていない?(その9) (No.10)
2001.1.9 前回に続いてもう一つ。中国でのギャップについて。 友人に、ある外国の有名なホテルの営業をしてる人がいました。その人が「契約を とってからが本当の仕事だ」と言うのです。 普通、営業は契約をとればおしまいです。いえ、更に言えば、契約の代金を回収 すればおしまいでしょう。後の仕事は別の部門が行う。これが当然だし、そうある べきだと思います。が、ここ中国では少々事情が違うようです。 あるお客さんの部屋に備え付けの金庫の扉が「閉まらなく」なりました。これ では金庫になりません。そのお客さんは私の友人に連絡し、何とかするように 依頼しました。 私の友人は日本人です。しかも、一流のホテルの営業をしています。すぐに対応 しました。中国人スタッフに新しい金庫を買いに走らせ、その金庫を直ちに据え 付けました。 が、ここで問題です。 お客さんは新しい金庫になったので、安心して貴重品を金庫に入れ、さて、鍵を 閉めようと思ったところ、今度は「閉まりません」。先ほどは扉が「閉まらなくて」 困ったのですが、今度は鍵が「閉まらなくて」困ってしまいました。 この問題はもちろんすぐに解決されましたが、後日談として、金庫を買いに行った のが中国スタッフで、金庫は当然中国製。「閉まらない」金庫を販売している事自体 が問題ですが、それを購入する時に確認しなかったスタッフにも問題があります。 でも、これが中国です。 表向きはとても快適らしく見える上海ですが、それを支えているのは中国の生の レベルの人達。つまり、氷山の一角は見えるけれど、隠された所がある。日本では 先ずあり得ない事でしょうが、実際、上海ではこのような事が多々あります。 もっとも、同じ、不動産関係者の話では、上海に住む日本人の奥さんが、物件に植え られている「木」が「カタログ」と違うからと「文句」が出て、営業担当者が自ら 植えなおすと言う事もあったようです。 国が変わっても、場所が変わっても、人間としての根本は変わらないと思います。 相手を思いやり、かと言って、妥協せず。でも、あくまでも謙虚で、違いを認め、 その矛盾のある中で少しでもいい方向を模索すると行う事が大切ではないでしょう か? 上述の事柄はともすれば、中国非難ととられ、中国の方からお叱りがくるかも知れ ません。それは中国の一部の事情だとか、日本にも悪いところは多々あるとか・・・ でも、事実は事実ですし、それを素直に認め、その上で自分自身を高めようとして いる中国及び中国人が増えているのも事実。 中国にいればいるほど、「何かを知っていると思った時にはまだまだ知らなければ ならないことがたくさんあると言う事」と言う聖書の言葉を思い出します。 「謙虚。」何をするにもこれがもっとも重要だと思うのは私だけでしょうか。 ======================================== YAMAOKA yoshinori yammy@mti.biglobe.ne.jp http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/ ======================================== 「Yammyレポート」 バックナンバー
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