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イーストヴィレッジでカスタムシューズを作っている
少し変わった靴屋さんです。
NYイーストヴィレッジの少し変わった靴屋さん
「East Village Shoe Repair」 No.21
2007.02.08

「かっこよくチップを渡したい!」


    ある若い女性が中古のブーツを買ったのですが、お金が無いの一点張り。その上、 ブーツの色が気に入らないので黒に染めて欲しいというのですが、彼女はブーツ 代とカスタム代合わせて15ドルにして欲しいと言いだしたのです。オーナーが “20ドル以下にはまけられないよー。勘弁してくれー!”と言うところを “お願い!!“と言うのです。しょうがなく”お願いだから、17ドル払って” とのオーナーにしぶしぶOKをだした彼女でした。お金がないと言うから20ドル でいいよと言ったら、さらに値下げさせられてしまったオーナー。途中でオーナー もくだらない事に(たった5ドルのために)討論の時間を取るのが面倒だと感じ たらしい・・・。

    さて、後にブーツをとりに来た彼女は17ドルを払うのに、20ドル札で払い ました。オーナーがおつりを渡そうとすると、やり取りを一部始終見ていた彼女 のボーイフレンドがそのおつりの3ドルを“いいんだ、これはチップとしてもら ってよ。”と言ってオーナーに返しました。なんて素敵なボーイフレンドなん でしょうと感動していると、横から“NO!!”と彼女が3ドルをオーナーから 奪い取りました。(早業でした! 爆笑)ちょっと恥ずかしそうにしている彼に “いいよ、いいよ、気にしないで”とオーナーも苦笑いだったのでした。

    彼女からしてはせっかくディスカウントをしてもらったのにチップをあげたら 意味が無いという考えだったのでしょうが、彼的には逆に安くしてもらった上に カスタムまでしてもらったのだからチップをあげるのが当然という考えが浮かん だのでしょう。とっさに、オーナーが渡そうとしたおつりをチップだと言い出し た彼の行動はなんとなくかっこよかった気がします。自分のポケットからチップ を渡さなかった彼の態度は、もしかしたら彼女のモラルに耐えられなかったので、 わざと彼女のお金をオーナーに渡そうとしたのかもしれません。皆さんはどう 思いますか?

    私達のお店ではチップをくれる人は3割くらいでしょうか。私も初めてチップ をくれるお客さんを見たときは、靴を直したりソールを張り替えてあげたりする 時にもチップをあげるものなんだなあと感心しました。もちろん、チップの有無 で手抜きしたりしませんし、どちらかと言えばオーナーはあまりチップを期待 していないようで、もらえたらラッキーと思っているぐらいです。

    “チップをくれるお客さんもいるんだねえ”とオーナーに言うと“うーん、俺は 気にしないけど、靴の修理もヘアサロンとかネイルサロンと同じようにチップを あげるものだと思っている人もいるんだろうね。まあ、習慣だからと思って くれる人もいるし、そうすることで、気に入ったから次もよろしくっていう 気持ちを表してる人もいるし、人それぞれかもしれないね。”とのこと。

    今まで私がお客さんを観察して素敵だなと思った例。

    お店の常連のお客さんで60歳くらいでしょうか、いつもかっこいいスーツを 着てぴかぴかの高そうなイタリア製の革靴に、帽子で決めている粋な黒人の おじさんがいます。いつも靴のソールを張替えにやってくるのですが、座って 雑談している時の会話もスムーズでウィットに富んでいます。そして、 “また来るよ!”といってチップを置いていく姿はなんとも板について自然。 大人のたしなみさと言わんばかりです。実は、そこをこうしてくれ、ああして 欲しいと注文の多いお客さんはほとんどの場合チップをくれない気がします。 彼のようにただふらっとやってきて、作業が終わったら、“バーイ!“とただ 帰っていくお客さんの方がさらっとチップをくれたりするものです。なんだか、 面白いなあと思ってしまうのは私だけでしょうか?

    エアブラシをしてもらった若いメキシコ人のお兄さん、オーナーに“ちょっと くずしてくれない?”とささっと両替を済ませ、アーティストに“はい、ありが とう!”とチップを渡しました。それも自然でなんともいい感じ。これも、慣れ というか、とっさにできる反射神経が必要ですね。もしかしたら、チップを渡す ことを始めから頭に入れていたのかもしれませんが、タイミングが絶妙だった気 がします。

    チップも文化の一つ、その文化がない日本人の私達には慣れるまで難しいかもし れませんが、やっぱりかっこよく、そしてタイミングよく、しかも多すぎもせず、 少なすぎもせずチップを渡せるようになれたらとお客さんを見ながら研究中の 今日この頃。チップに慣れているはずのアメリカ人でも、もしかしたら私達の ようにチップをあげようかあげないか迷っている時もあるのかも?と思う場面 にも出くわすので興味深いです。

    実は先日ライブに行った時に、ビールを買うのにバーテンダーに上手くチップを 渡せなかったのですよね。バーには人が群がっていてとても忙しそう。しかも、 混んでいる時ってなんか上手く割り込めない上に、早くしなくてはと焦ってお金 を渡す感じになっていしまいませんか?(私が小心者なのかな?)10ドル札しか なかったのでおつりをもらったのですが、先にビールの値段を聞いておけば、 チップ分を差し引いてもらえたのに。ダメですねー。と言うわけでまだまだ 勉強中です。

    2007.02.08

    ユカ
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    ユカの『イーストヴィレッジ』
    ・バックナンバー:
     http://yousworld.com/ny/htm/shoe-back.htm
    ・East Village Shoe Repair:
     http://vintagecustom.00freehost.com/
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