NYイーストヴィレッジの少し変わった靴屋さん
「East Village Shoe Repair」 2005.10.16
「ホーミーたちの新学期」
イーストビレッジの川沿いのアルファベット・シティ(アベニュー名がアルファ ベットのABCDであるためこう呼ばれている)、プロジェクトという低所得者用 の団地があり、たくさんの子供たちが住んでいるので、よくセントマークスや ブロードウェイなどに買い物に来るのです。必然的に私達のお店も忙しくなって きます。プロジェクトに住むのは、黒人やプエルトリカンなどのヒスパニック 系が多く、MTVなどのラップビデオなどを観ればわかると思いますが、 ファッションが特徴的。大きなダブダブのTシャツにバギーパンツ、ぴかぴか のスニーカーにチェーン。子供達は特にTVに影響を受けやすいものですから、 彼らがお店に来ると“Whadaap Yo!”とギャングスタラップの世界。慣れなかった ころは、私は彼らが何を言っているのかさっぱりわからず、後からこっそり オーナーに聞いていたりしていました(笑)彼ら独特のアクセントとスラング 交じりの英語は私にとって難しかったのです。 彼らが私達のお店で何を買うというと男の子は中古のジョーダンシリーズ、 ナイキアップタウンなどを、女の子は中古のパンプスやちょっとレトロな ブーツなど。友達を連れ立って大勢でやって来て試着を開始。狭いお店が いっぱいになってしまいます。 そしてカスタムシューズ。新学期用に買った帽子やシャツに合わせるため、 シューズにペイントしたり、カラフルなバンダナを張ったりとおしゃれにかなり 気合が入っています。そう、ホームボーイ達は頭から足元まで色をマッチさせる のが好きなのです。エアブラシの注文でも、“この前買ったスニーカーに色を 合わせるから赤と黒と白しか色は使っちゃだめだよ!”なんて念を押されて しまいます。そんなこんなでとても忙しくなってしまうのです。 ある日、私たちが子供のころから良く知っている男の子が友達を連れてやって きました。友達が新しくジャマイカンカラーのスニーカーを買ったからジャマイ カンカラーでボブ・マーリーとパットリーフ(マリファナの葉っぱ)をシャツに エアブラシで描いて欲しいのだそう。
“いくら持ってんの?” 12,3歳の子供のくせにパットリーフっなんてまったく!と思ってしまい ますが、ゲットーの彼らの日常にはいつもドラッグがあふれているものです。 年上の兄弟やいとこなどが吸っていたり売っていたりしているのを見ているので しょう。その上TVではギャングスタラップのビデオ。ジャマイカンカラー だからボブ・マーリー(決して彼らはボブのファンではない)とマリファナ なんてなんともおばかな発想でかわいいのですが・・・何とも言えない現実を 感じさせられます。しかしながら当の本人たちは元気いっぱいで、出来上がった シャツに大満足、“やったー!オフィシャル!ヨー!”などと言いながらにぎ やかに帰っていきました。ちゃんと勉強してドロップ・アウトしないでね! ホーミー・・・ホームボーイ、ホームガール、地元の友達など親しい人に対して 使われるスラング。最近の若者はニガ、サン、カズなど色々使うようですが、 どんな風にお互いを呼び合うかでどこの出身だかわかるらしいです。ちなみに ニガはあんまり黒人以外は使わないほうがよいです。プエルトリカンは使って いるけど・・うーん難しい。白人の若者がギャングスタイルの子達を指して ホーミーと呼んでいる事もあります。
ユカの『イーストヴィレッジ』 |
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