No.4 ･ 2010.09.02

『ジョン　−　おもしろい　ニューヨーカー』

私は今の仕事で好きなことのひとつに、人を雇う立場にあることだ。 しょっちゅう面接をしている。実にいろいろな人がくる。 そして、人にはいろいろな経緯があることを知る。 今日はジョンについて紹介しよう。 インタビューを始めた早々、「あなたは何人ですか？」と聞かれたので、 私はふいを突かれた思いで、「どうしてそのような質問をするのですか？」 と逆に質問を返した。 そうしたら、彼は「私の父親はモンゴル人なんです。 だから彼は中国人の顔をしてるんです。ですから、あなたは中国人かと思ったのです。」 なるほど、ちょっと親しみを感じたのかしら？ けれどもそれが　hire につながると勘違いしないでね。と心の中でつぶやいた。 そして、彼は永遠と自分の　background について話し始めた。 彼の父親はモンゴル人だが、彼は父親のことを中国人だという。 そして、彼の母親はジャマイカ人だと言う。 彼はジャマイカで生まれ、１５歳の時に、親と共にアメリカに渡ったと言う。 彼は自分をジャマイカ人だという。 しかし、１５歳にこちらに来たのだからもうだいぶアメリカには馴染んでいるようだ。 ちなみに彼はおそらく５０代ではないだろうか。 年齢は面接で聞いてはいけないので、決して聞かない。 そうか、mixed race なのだな。 となぜか少しでも　Asian の trace がないかとまじまじと顔を見てしまった。 しかし、彼はどう見ても　黒人である。ちっともAsian の trace が見られない。 高校を卒業してすぐ仕事に就いたようだ。 最初の仕事は shipment の仕事だったらしいが、２４年間も勤めたという。 その後、ちょっと仕事を hop しているようであった。 それでもドライバーとして、トラックやバスを運転してきたという。 そんなところから来たのなら、 おそらく私たちの探しているドライバーのポジションでは物足りないだろうと思った。 しかし、彼は、 「見てください。これが私の仕事のスケジュールなんです。 朝の５時半とか７時に仕事が始まって、それから２時間とか、また午後から３時間とか、 そして終わるのも夜の７時とかひどいと夜中です。土日も仕事が入ります。 このような不規則な生活から私は解放されたいのです。」 とかなり切実に迫ってきた。 彼は仕事やる気まんまんである。必死で自分をアピールする。 私がランチを途中でやめて、彼の時間に合わせて会ったのだが、 彼は「どうぞ、ランチが終わってからでぼくはいいですから。」と恐縮な様子。 子どももいるというし、うちのドライバーの仕事で食べていけるのだろうか？ 確かに hours は魅力的かもしれないが、 やはりそれに見合った　pay であることは間違いないのに。 「おむつも交換するのよ、覚悟はいい？食事も食べさすのよ、大丈夫？」 とドライバーの仕事だけでなく、direct care staff でもあることを念を押した。 それにしても、最近は移民がほとんどになってきている。 アメリカ生まれのスタッフが少数派になるくらいでは？ そしてジャマイカンも増えている。 偏見は持ちたくないが、彼らのほとんどはアメリカ生まれの African American と違って、 けっこうまじめによく働く。 移民の人たちはほとんどがまじめによく働く。まあ、どうなることか。 ノーラ・コーリ ************************************** Nora Kohri (Overseas childbirth and childcare consultant) info@caretheworld.com http://www.caretheworld.com **************************************

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