
No.90 ・ 2006.10.08
『木への思い』
どうやらアメリカではこれだけたくさん木があるからだろうか、あまり木を切ること に抵抗はないようだ。日本では何年もかかって大きくなった木をそう簡単には伐採し ない。そもそも日本では木には命がある、魂があるという考えから、木を切るという のはよほどのことでない限り行わないと言う。 木はやっかいなこともある。あまりにも重たくなると突然車の上や人の上、家の上に ぼかんと落っこちてくる。確かに危険だ。そのために、隣りの家でも木を切ることに したようだ。だが全部の木ではなく大きな枝いくつかのようだ。 切り方もなかなかダイナミックである。ウェストチェスターの木々はどれも百年もの の大きなものばかりだ。木を切る専門の職人がまず木にのぼる。それも簡単なロープ を腰につけて登っていく。そして切る木にロープをゆわいつける。そして電動のこぎ りで切っていく。もちろん落とす場所をそのくくりつけたロープで位置決めできる。 下では待ってましたともう一人の職人が待ち受けている。それを受け取りまたロープ は上に上がっていく。落とされた枝はその場で半分、さらに半分と切られ、適当な長 さにしたら今度はチップに細かく刻んでいく機械に入れる。その機械の先にはトラッ クが口を大きくあけてチップを受け止める体勢で待機している。この木をチップにき ざんでいく機械の音のすごいこと、ばりばり音をたてて、大きな丸太すらも噛み砕い ていく。おそろしいくらい迫力がある。どんどん吸い取るように枝も葉っぱも飲み込 んでいく。 仕事をしている職人のほとんどはヒスパニックだ。ガーデナーもヒスパニックだが、 庭関係の仕事は一手にヒスパニックが多い。彼らはこのような3Kの仕事についてい るわけだ。チーフのようなおじさんと話をしていたが、なかなかユーモアのあるおじ さんで、私が、そっちの木も切ってよといったら、おじさん、「お金くれるの?」と の返事だった。
ノーラ・コーリ
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