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No.442003.08.17

『大停電のニューヨーク』


    ニューヨークの大停電においては、ご心配おかけしております。実はニューヨークの 大停電について初めて聞いたのは日本でのこと。私たちは成田空港を発ってニュー ヨークに向かうために、前の晩に成田近くのホテルに宿泊していました。15日の朝7 時。娘がテレビをつけたらその報道がNHKのニュースで入ってきました。これはた いへん!今日、ニューヨークに発つのに!その後空港にいったら、JFK空港は閉鎖 中とのこと。電気が復旧していない。そのため、シカゴに向かう可能性大とのこと。 えええ?帰れないかも!

    その後12時間のフライトの末、幸いにして停電中でありながらもJFKに機体は着 陸。ただし、機体からはトラップという階段で降りなくてはならないとのこと。その トラップが見つからないという。そうか、もしかしたらそんな年代ものは最近使って なくてどこか倉庫の奥にしまってあるのかもしれない。どうでもいいから、とにかく 探してくれと飛行機の中で待つこと1時間。幼い子ども達は時差で眠り始めてしまっ ている。日本時間で言えば夜中の12時。無理もない。そしてやがて空港内に。電気は 非常灯しかついていない。ところどころと。それでも昼間だから太陽の光で建物内で も周りは見える。入国手続き。どきどきの一瞬である。審査官は暑さのせいか機嫌が 悪い。私はとびっきりのスマイルを作ってみる。けど効き目なし。コンピューターは 自家発電(power generator)でなんとか動いている。無事入国。

    車に乗って一路ウェストチェスターの我が家へ。Hutchinson Parkway を通ったがす ごい渋滞だ。それでも動いているからまだましだ。どうやら今朝になってマンハッタ ンに取り残されたものを迎えに行った車もかなりあったようだ。それにしても大都市 での停電。ここハリソンでは年に2回ほどある停電で慣れていたが、これだけ大規模 にマンハッタンにまで及ぶものは1977年以来とか。それにしても私は1965年の大停電 も経験しているのだ。(骨董品!)オフィスはすぐクローズされ、人々は家路へと向 かった。すぐには回復しないことを察してのことだろう。このあたりのあきらめきり が早いのもニューヨーカーらしい。エレベーターは止まったので20階でも30階でも みんな歩いて降りて行った。マンハッタンに住んでいるものは1時間でも2時間でも歩 いて30度の暑い中を家路に向かったそうだ。地下鉄は止まり、2時間も中に閉じ込め られた人たち。郊外へ向かう電車もストップ。結局歩いて帰れない彼らはマンハッタ ンで夜を明かすこととなった。公園のベンチやらホテルのロビーに横たえた。トイレ には困ったことだろう。日本のようにどこにでもトイレがあるわけでないマンハッタ ン。結局ホテルのロビーは正解かも。もっと困ったのは食事だという。暑いからのど も渇く。幸い、レストランは飲み物だけは供給できたが食事はできなかった。テレビ で情報も聞けない。どうした?とマンハッタンの友人に聞いたところ、みんな道端で 電池でラジオを聴いていたから情報は入ったという。帰り道どうだった?と聞いた ら、みんなパーティー気分で見知らぬ人と会話を交わし、道端で飲んだりして何もす ることのない時間をどうせなら楽しまなきゃと過ごしていたとのこと。このあたりも ニューヨーカーらしい。

    結局15日の午前6時少しづつマンハッタンに電気が供給されていった。しかし、会 社に連絡もとれず、地下鉄も走っていないし、マンハッタン全域が回復したわけでな いのならオフィスに電気が通じているかも不確か。それなら休んじゃえと考える ニューヨーカー。インターネットを使えなければ仕事にならぬ。とにかく電気がなけ れば町はデッドタウン同然。生き生きしていたのはこのときばかりとふとわいた休日 を楽しんだニューヨーカーたちかもしれない。

    ノーラ・コーリ
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    Nora Kohri
    (Overseas childbirth and childcare consultant)
    info@caretheworld.com
    http://www.caretheworld.com
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書・木村怜由

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