No.41 ･ 2003.05.25
『郵便局には貯金しないの？』
このあたりでは開いている窓口はだいたい２つ、けれども空いている時は１つくらい しか空いてない。それでも窓口は形としては３つくらいある。ちょっと列が長くなる ともう一人後ろからゆっくりゆっくり歩いて窓口をもうひとつ開けてくれる。 おもしろいことに一つの窓口はその窓口担当者専用のようだ。そのため、子どもの写 真が貼ってあったり、ちょっとした自分のオフィススペースが作られている。どうや ら近くの小学校の児童が郵便局を見学に訪れたようで、その時に案内してくれた担当 者宛にthank you letter がでかでかと貼ってあった。なかなか微笑ましい光景だ。 郵便局に並ぶとやたらと待たされる。それもそのはず、ここはお馴染みの常連さんが たくさん顔を出すところだからだ。そのため、ローカルの人達は郵便局の職員と ちょっとした立ち話をしていくのだ。これが３人も前にいたら、ちょっとたまったも んじゃない。けれども私はその立ち話を全部聞こえてしまうのだからむしろ会話を楽 しんでいる。なるほど、休暇に出るのか、なるほど息子さんが今年高校を卒業か。ふ むふむと会話を聞くことを楽しませてもらっている。そうするといらいらも収まり、 気長に自分の番を待つことができるということだ。これも知恵。 しかし最初の頃の私はそのようなゆとりがなかった。待っている間、いらいらした気 持ちは、怖い顔をしていたのかな？そうしたら郵便局の担当者が、“smile, you are on candid camera” （笑ってごらん。ほら、隠しカメラに撮られているよ）とか冗 談をいってきた。まったく人の気持ちをやわらげることにおいてはなんと彼らはたけ ていることだろう。けど、「笑えるか、こっちはパーキングメーターに10分しかお金 をいれてきてないのに、あんた達の無駄話の為に時間超過で罰金でもとられたらたま らんぞ。」とでも言いたかったが、これはとっても日本人の余裕無さの心理かなと反 省。ここでは時間がゆったりと流れているのだ。だからすべてにおいて余裕を持って 行動しないと本当にいらいらして健康によくない。
ノーラ・コーリ
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