ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム

New York Black Culture Trivia 2005.03.13
堂本かおる の 『from ハーレム』 (No.74)
「サヨナラ、スケートキー」
かれこれ5年ほど前、当時インターンをしていたハーレムの会社がキースケー トと関わりがあり、一時期、私もほぼ毎日のように、スケート場内のオフィス に通っていた。 「今時、ローラースケート?」とやや不思議な感じもするけれど、プロ顔負け のチームがあってダンシング・スケートをやっていたし、昼間は近所の小学生 が先生に引率されて滑りに来ていた。ハーレムYMCAのこどもたちも来ていたな。 夜ともなればヒップホップを大音量でかけ、ブロンクスやハーレムの若者が たくさん遊びに来ていた。 そういえばダンス・スケーティングのインストラクターのひとりは、ビルとい う、当時おそらく50代後半の黒人男性だった。70年代頃からR&Bやファンク に合わせて滑り続けて30余年のキャリア。ターンやストップの足さばきが絶妙 だったのを覚えている。 昔はブロンクスには数ヶ所のローラースケート場があったそうだけれど、大 きな建物が必要だから運営が大変で、しかも多くのスケート場が犯罪の場と なった。そういった理由からどんどん閉鎖していき、スケート・キーだけが 生き残ったそうだ。 私が通っていた当時、オーナー(白人)はスケート場を犯罪から遮断する ことにとても気を遣っていた。夕方以降のイベントで若者を入れる際には持 ち物検査をしていたし、スケート場内でも、たとえば休憩所のテーブルに 腰掛けているだけでスタッフが注意したりしていた。 けれど、場所が場所だけにクリーンアップはなかなか難しかったようで、時々 スケート場周辺で銃撃事件が起きていた。 短期間とはいえ関わりのあった場所だけに、閉鎖はちょっと淋しい知らせ。 インストラクターのビルはどうしているんだろう。いずれにせよ、そろそろ 引退する年齢だとは思うけれど。 2005/02/06 New York Black Culture Trivia #354(2005/02/14)より抜粋
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