ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム

New York Black Culture Trivia 2001.05.28
Ms. 堂本 の 『ハーレム だより』 (No.29)
スパニッシュ・ハーレムの風景
サード・アベニューを125丁目から南に向かって歩き始めた。このサード・アベニューには、 いろいろな店がずっと続いていて、とても賑やか。なかでもスパニッシュ・フードの店が目を引く。 カウンターだけの小さな店を覗いてみた。ポーク、あらゆる種類のライスやビーンズに混じって、 見慣れないフライ物もたくさんある。買ってみたのは、ユッカという植物のペーストに衣をつけて揚げたもの。 適度にスパイシーで美味しい。別のコーヒーショップでは、首から大きなロサリオ(十字架)を下げた男性客が、 他の客と声高のスペイン語で歓談中。BGMはもちろん、大音量のサルサ。 ・・・・・ El Barrio(エル・バリオ)…スペイン語でこう呼ばれるイースト・ハーレム。 正確にはフィフス・アベニューより東の96丁目から125丁目を指す。 1900年代初頭まではNY最大のイタリア系地区であったイースト・ハーレムにプエルト・リカンが流入し始めたのが1930年代で、 その後、あっという間に一大ラティーノ・コミュニティとなった。しかし同じハーレムでも、このイースト・ハーレムと、 アフリカン−アメリカンの住むセントラル・ハーレムとでは街並みがまったく違う。 その理由はビルの外観にある。セントラル・ハーレムは、そもそもは裕福なオランダ人入植者のために建設された街であるために、 豪奢なデザインの建物が多い。対してイースト・ハーレムは常に貧しい移民の街であったために、 建物自体が安普請なのだ。そこへラティーノ流の賑々しいスペイン語の看板やミューラル(壁画、グラフィティ)が揚げられ、 一種独特の雰囲気を醸し出している。 けれど3年前には大型スーパーマーケットのパスマークが開店し、いつも買い物客で混みあっているし、 来年には大規模なショッピング・センターも完成する予定で、ここイースト・ハーレムでも再開発は始まっている。 ・・・・・ やがて96丁目にたどり着いた。ここがスパニッシュ・ハーレムの南端。通りを一本またいだだけで、急に白人たちが視界に入ってきた。 ここから先はアッパーイーストと呼ばれるミドルクラスの白人地区なのだ。
※以下のサイトでイースト・ハーレムの風景写真が見られます。 ※カリブ海や中南米のスペイン語圏出身者を指す言葉はいろいろある。新聞や公的機関では“ヒスパニック” という言葉が使われているが、最近では“ラティーノ”と呼ぶことも多い。 また“スパニッシュ”という言葉が使われることがある。
◆堂本かおる / Kaoru "Kei-dee" Taylor(フリーライター) |

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