ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム

ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム


New York Black Culture Trivia
New York Black Culture Trivia 2000.11.05
Ms. 堂本 の 『ハーレム だより』 (No.22)

愛情いっぱいの子育てダディとヒップホップ




    ダウンタウンからハーレムに向かう地下鉄2番線の中での風景。

    午後2時過ぎ、車内は比較的空いている。ふと見ると、 ベビーバギーに赤ちゃんを乗せた若いアフリカン−アメリカンの男性が座っている。 20代後半あたり、地味目なセーターにスラックスというすっきりした出立ち。 おとなしくベビーバギーに収まっているベイビー・ガール(女の赤ちゃん)は、 昼寝から覚めたばかりなのか、カフェオレ色の小さな手で目をこするような仕草。 それを見た若いダディは、ピンクのタオルを赤ちゃんの首元にたくし寄せ、 バッグから哺乳瓶を取り出してくわえさせた。その、なんとも慣れた手付きと、 深い愛情のにじみ出たまなざし。

    ダディの隣りには、やはり若い黒人男性が座っていた。 オーバーサイズの鮮やかな黄色いジャケットとバギーなジーンズのせいで若く見えるけれど、 20代半ばの感じ。さきほどからスマイルでベイビー・ガールを見つめていた彼が、ダディに話しかけた。

    「可愛いね。何ヶ月?」
    「18ヶ月になったところ」
    「へぇ、うちの子は12ヶ月なんだけど、この子、18ヶ月にしては大きいよね」
    「そうなんだ。重くて大変だ」
    「それ、なに飲ませてるの?」
    「リンゴ・ジュース」
    「そう、あっ、降りなくちゃ。じゃ、Brother.」
    ・・・・・

    黒人社会にはシングル・マザーが多く、また一般的に黒人男性には強いマッチョ指向があり、 ここでも子育てはやはり女性の仕事。けれども一方では男性たちも子供を愛して止まないし、 真剣に子育てに取り組む父親もまた多い。

    そうやって母親と父親の両方から愛されて育った子供は、 自然と女性・男性というふたつの性の存在を受け入れることから異性を尊重し、 また精神的にも安定した人間となる可能性が高い。 (もちろん、片親でもきちんと育つ子供が多いことも付け加えておく)

    アフリカン−アメリカンが作り出し、今や世界基準のエンターテインメントとなったヒップホップ。 しかしラッパーの中には「bitch」を連発し、女性への蔑みが度を過ぎると批判されるアーティストが多く、 いまだに半裸の女性を自分の回りにはべらせたビデオ・クリップもよく見かける。 彼らアフリカン−アメリカン・ラッパーの過半数は、片親もしくは両親不在で育っている。

    New York Black Culture Trivia 堂本かおる
    HP: http://www.nybct.com
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書・木村怜由

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