ニューヨーク・ブラックカルチャーfromハーレム
New York Black Culture Trivia 2013.1.13
堂本かおる の 『from ハーレム』 (No.117)
映画『Our Friend, Martin』〜子どもに伝える黒人史
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆
「ハーレム・ジャーナル」
映画『Our Friend, Martin』〜子どもに伝える黒人史
2013.1.13 Sunday
■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆■◆
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
ハーレムで開催されたブラック・コミックブック・フェスティバルに
息子を連れて行った。
コミック作家たちがブースを並べて自分の作品を売っている。
多くはマッチョ&バイオレントな
アメコミ・スーパーヒーローの黒人バージョン。
女性作家によるスーパーヒロインや、
黒人の子どもを主人公にした子ども用コミックもあった。
笑えたのは「アフロギーク(アフロヘアのオタク)」という
キャラクター。
別室ではコミックと人種をテーマにした
パネルディスカッションがあり、
本当はそれに行きたかったのだけれど
8歳の息子には無理。
仕方なく子ども向けアニメの上映会へ。
何も考えずに上映室に入ってみると、
作品は「Our Friend, Martin」といって、
キング牧師にまつわるものだった。
1月21日はキング牧師デーの祝日であり、
今年はオバマ大統領の就任式も行われる。
映画は12歳の黒人少年が過去にタイムスリップし、
少年時代、青年時代、黒人活動家時代の
マーティン・ルーサー・キングJr.に会い、
友情を育むと同時にアメリカに於ける
黒人の歴史を学ぶというもの。
アニメに当時の実写フィルムをはさむ手法で、
差別の実態がなかなかリアルに描かれている。
中央が少年時代のキング牧師(ちょっと男前すぎか。)
息子はまだ8歳ということもあり、
黒人差別の歴史について私が意図的に教えることはしていない。
ハーレムという白人のいない環境で育っている息子に
一方的に情報を与えたくないのだ。
教え方を間違うと「白人=悪い人」という
先入観が植え付けられてしまう。
とはいえ何も知らないわけでもなく、
夫、学校、多種多様なイベントなどから
自然と知識は入ってくるので
今はそれくらいでいいと思っている。
けれどこの映画、
ローザ・パークスがバスで白人に席を譲らずに逮捕されたこと、
黒人は白人と同じ食堂で食事をさせてもらえなかったこと、
デモでは警察犬をけしかけられ、
消防ホースの水を噴射されたことなどが実写で出てきた。
主人公がキング牧師の暗殺を防ぎたいがために
少年時代のキングを現代にタイムスリップさせると、
公民権運動が行われなかったために現代においても
黒人差別が残っており、
主人公は白人の親友(!)によって学校から追い出され、
会社員のはずの母親はメイドになっており、
ラティーノの友人は清掃人となっていた。
このあたりで「これはちょっとキビしいかも」と思って
隣りに座っている息子を見ると、
結構、真剣に見ていた。
息子は黒人だ。
母親がアジア系であろうが関係ない。
もう少し年齢が上がって一人で街を歩くようになると、
周囲からは黒人としてのみ扱われる。
だからその時期までには黒人の歴史と現状を
知っておかなければならない。
この部分に非黒人である私の思惑は関係ない。
私に出来ること、するべきことは、
非黒人としての視点も伝え、息子の歴史観、
アイデンティティにバランスを持たせることくらいなのである。
ニューヨーク・ハーレム・ジャーナル
堂本かおる
=============================
ニューヨーク・ブラックカルチャー・トリヴィア
http://www.nybct.com
ニューヨーク事情ブログ:ニューヨーク・ハーレム・ジャーナル
http://nybct.jugem.jp/
ハーレム・ツアー
http://www.harlemjp.com/
=============================
.
|

提供情報の正確性・客観性については責任を負いません。予めご了承ください。
少しでも有益な情報を共有すべく、ご意見、訂正・追加情報をお待ちしております。
連絡は、(株)no borderお問合せフォームからお願いします。
運営&Copyright no border inc. since 1996
サイトに関する情報提供・お問合せはこちらからお願い致します⇒お問い合わせ
広告も募集中です。お問合せからご連絡ください。