中国は変わった?変わっていない?(その5) (No.5)
2000.10.28 びっくりしました。 上海MLの方で、このメルマガへの寄稿の話が出たので・・・ ただ、長くかかわっているだけかも知れませんし、 独断と偏見(二つともできるだけ持たないようにしているのですが)に満ちていると思いますが、 この寄稿がどなたかの、何かの参考になればと思います。 さて、変わると言うことは良い方向にも悪い?方向にもあり得ますが、 うちの従業員との車の中での会話をご紹介します。 ちょうど、この「中国は変わった?変わっていない?」と言う題で寄稿しているので、 運転手の男性と会計の女性と雑談しました。 私から「最近、立ちしょんべんしている男性をよく見かけるけれど、 昔はそんな事まずなかったね」と話をふると・・・ 男: 「そうなんですよ。なんか今は文化水準というかモラルと言うか、 精神的に開放されたんでしょうが、かなり乱れています。」 「昔はバスに乗っても、お年寄りや赤ちゃんを抱っこした人が乗って来ると必ず席を譲ったものですが、 最近はそんな事は先ずないです。」 女: 「経済的には多少豊かになったけれど、精神面での豊かさには問題があるんでしょうね。」男性は今年35歳ぐらい、女性は28歳ぐらいです。 最近はバスに乗ることはあまりないのですが、それでもたまに家内と乗ると、 そうですね。3歳の女の子を抱っこして乗るのですが、席を譲るようなそぶりはなかったです。 これは今の日本にも言える事だと思いますが、物質面と精神面のバランスはまず物質面が優先される。 モノが豊かになって、次は精神面になるのでしょうが、その過渡期には色んな問題も出るのでしょう。 以上は、変化のあまり良くない一面(一時的だとしても)ですが、良い面もあります。 これも昔の話ですが、上海に始めてKFC。つまりケンタッキーフライドチキンのお店ができた時ですから、 やはり10年以上前だと思います。そのKFCで働いていた女性がいて、ある日、お店をのぞくと、 その女性が接客で「嫌な顔」を露骨にしている。 その女性の家族とは家族ぐるみでのお付き合いだったので、後で、彼女の家で、 「どうしてあんな顔をしているの?KFCでは接客は笑顔でするように言われない?」 と聞くと、「確かにそのように教育されるのだけれど、来るお客には色んな人がいて、 訳の分からない事ばかりを言う。そんなお客さん相手にとても笑顔で接客できない。」 と言っていました。 この状況。つまり、お客さんが訳の分からない事を言うと言う状況は今も見る事ができます。 例えば、携帯電話が故障して、電信電話局に行くと、窓口で、先ず並ばない。そして、 あきらかに自分が壊したのに、それを何とか電話局のせいにして、直させようとする。 電話局の窓口係員が丁寧に「これはここが悪いから新しく購入するしかない」と言っても 「新しく購入するお金はない。何とかしてくれ」と窓口で粘ります。 「だめもと(どうなるか分からない。だから、だめでもともと。何でもやってみるし言って見る)」は、 中国社会の一つの習慣だと思いますが、毎日、 このような人たちの応対をするのは確かに大変な事だと思います。 でも、それが、この数年。特に上海では、ケンタッキーにしてもマクドナルドにしても、それこそ、 そのあたりの小さなお店にしても接客態度には全く問題ありません。 10年以上も前の事を知らない人たちにして見れば、最近の状況には腹立たしい事もあるのでしょうが、 比較的長い時間、中国を見て来た私などは、 変化の良い面に驚くと同時にこれからの変化を楽しみにしています。 ======================================== YAMAOKA yoshinori yammy@mti.biglobe.ne.jp http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/ ======================================== 「Yammyレポート」 バックナンバー
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