筆談とホワイトボード(その1) (No.43)

筆談とホワイトボード(その1) (No.43)


2003.03.02

前回、「言葉の障壁を十分に理解する」事の大切さを申し上げましたが、私は中国語
でのコミュニケーションはまず問題はありません。でも、重要な事や確認が必要な事、
或いは誤解されやすい事などは必ず「書く」ようにしています。また、これまでお会い
した方の中で「この方は外国での仕事に慣れておられる」と感じるのは例え中国語が
カタコトであっても、商談の時間や納期など絶対に間違えてはならない事や重要な事を
「書く」事で中国人と十分に意思を伝え合い仕事をされている方です。

中国語が解らないから「筆談する」と言うのは観光旅行で中国に来て買い物などをする
時にする事だと思われるかも知れませんが、外国人と仕事をするわけですから念には念
を入れて確認するのは当然ではないでしょうか?。それには「筆談」はとても有効な
手段ですし、また、どんなに中国語ができたとしても「間違ってはいけないもの」
「誤解されてはいけないもの」は必ず「書いて」確認する事をおすすめします。
これは日本語が達者な中国人スタッフと業務打ち合わせをする時も同じです。

前述のように、中国人スタッフは日本人に対して遠慮しています。ですから、例えば
解らないところがあってもそれを確認の為に聞くと言う事はあまりしません。私が通訳
しているのなら日本人に対して「何が言いたいのか」「話している事の真意はなにか」
などを聞きながらそれを中国人に正確に伝えるのに最適の方法で伝達するのですがそれ
さえも人によっては「色々うるさい。私のしゃべる事をそのまま通訳すればいい」と
おっしゃる方も中にはおられます。日本人の私に対してでもそのような態度を採られる
方がおられるのです。これが中国人通訳なら発言者である日本人に「それはどういう
意味ですか?」とか聞けるような状況はほとんど考えられませんし、仮にそれを日本人
が許したとしても、今度は中国人通訳の日本語能力の問題で十分な意思疎通ができず、
中途半端な形で通訳されると言う事もあるではないでしょうか?

日本人はもともと発言内容がはっきりしない方が多いようです。ですから仮に日本人
の発言を一字一句機械的に同時通訳したら中国人は意味不明と言う事になるようです。

「ですからねぇ、例のあれをあれして下さい」と言われそれを同時通訳で中国語に通訳
したとしても中国人は全く意味不明になるのです。中国人通訳を介して指示や意思を
伝える場合にはまず中国人通訳に何が伝えたいのかそしてその結果どうしたいのかと
言う事を事前に打ち合わせし(その時にも需要な事柄は「筆談」を交えて双方とも確認
しておく事をおすすめします。)十二分に通訳と意思疎通をはかり通訳が十分に理解
した事を確認してから仕事を進める事をおすすめします。

さて通常業務では「筆談」で足りるのですが日中双方で誤解が誤解を呼び話がややこしく
なった時にはホワイトボードの使用をおすすめします。

通訳を介しての会議でもホワイトボードを使いながら話を進めると双方ともに誤解と
言うものをかなり避ける事ができます。次に私が実際にホワイトボードを使い、複雑に
日中相互誤解が絡み合った状態を解きほぐした状況をご説明します。
 (つづく)

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YAMAOKA yoshinori

yammy@mti.biglobe.ne.jp

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