私の仕事。具体例のご紹介(1) (No.41)
2003.01.19 私の仕事はよくコンサルタントですか?と聞かれます。でも、そうではありません。 コンサルタントなら「コンサルタント料なり、顧問料なりを戴き、あくまでも 『社外』と言う立場で企業に適切なアドバイスをする。」となるのでしょうが、 私の場合にはあくまでも『社員』としてその企業に入社します。 毎日毎日他の社員達と同じように出勤し、現場で働き、残業もし、「身内」として 働く事で中国人社員が感じている問題点を共有し、また、中国人社員が感じていない けれど実際には問題となっている状況を見つけ出しそれをみんなで考え一緒に改善 して行く。それが私の仕事です。 ある時には通訳として、ある時には会議の司会者として、ある時には現場の責任者と して中国にある企業内で中国と日本の間に立ち問題の根本を見つけ出しそれを徹底的 に分析、改善し、再発しないようにする。コンサルタントと言う仕事が例えば 「お医者さん」だとすると、私の仕事は処方された「注射」や「薬」であり、体の 内部に入り込み、問題の元を見つけ出し、根本原因を元からから治してしまう。 そう言う感じになるでしょう。 問題の根本原因とは何か。それは実は簡単な事だと思います。それは「相互理解」の 一言に尽きるのではないでしょうか。ですから、日中双方がお互いに相手を理解し ようとし、その為に日々努力すればどのような問題も私のような存在がなくても解決 するだろうと感じています。 「そんな事は解っている。実際、我々は相互理解の為に日々努力している。でも、 経営上の問題や人事上の問題がどうしても出て来る。」 そうです。日中の双方はもちろん日々努力しています。お互いが一生懸命に考え、 何とか良くしようとそれこそ死に物狂いで努力されているでしょう。でも、それでも 問題が出て来る。それは何故か?実は多くの人たちは「一生懸命にやって苦労して いる。」「一生懸命の方向が間違っている。」ように感じます。例えばある日本人が 次のように言います。「中国人はどうして気が利かないんだろう。これだけ説明して も肝心な事を理解せずしなければならない事を忘れてしまったりする。」 日本からお客さんが来られたような場合、空港への出迎えの手配からホテルの手配など 一連の仕事が発生します。そして、どれ一つとっても重要です。それを「お客さんが いついつに来られるから空港への出迎え手配、ホテル手配、航空券のリコンファーム などなどをするように」と中国人に指示するのですが、その内、どれか一つをぽっかり 忘れたりする。そう言う時に「どうして中国人は・・・」と思ってしまうのでしょう。 日本人の頭の中では「お客さんが来られてから帰国されるまでの一連の手配事項」が 整理されており、それらは全て自分の責任で、全て滞りなく進めなければならない事。 だから、一生懸命に中国人スタッフに説明する。その結果、何か一つが抜けていた時に 上述のように思ったり発言したりするのでしょう。 「自分は十分に時間をかけ説明した。それに、お客さんが来られてから帰国されるまで の一連の仕事はちょっと考えれば解るだろう。それなのに手配ミスをするなんて・・・。」 と思ってしまうのでしょう。 この日本人はまさに「一生懸命にやって苦労」しています。 (つづく) ======================================== YAMAOKA yoshinori yammy@mti.biglobe.ne.jp http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/ ======================================== 「Yammyレポート」 バックナンバー
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