2002.10.30
約3ヶ月ぶりに上海に戻りました。
正確には上海市松江区と言うところなのですが、土日には上海まで出ています。
この数ヶ月での変化にもびっくりしましたが、目の前の変化より時代の大きな
流れを感じた事がありましたのでご報告します。
この数ヶ月パソコンに向かう時間が長かった為か右肩から右手にかけて「こっ
た」感じがあり今年の春に出来たばかりだと言う日式（日本式）温泉に行って
来ました。湯河源日式温泉と言う名前で上海では外国人の多く住む古北新区近く
にあります。日本の健康ランドのようにお風呂にゆっくりつかり、サウナも入り、
マッサージも受けて右手を癒そうと思ったのです。事前情報でも悪い情報は
ありませんでした。そして噂通りとても清潔感がありサービスも行き届いた
お風呂でした。そこで感じたのですが、私は以前、ある同じような日式温泉で
一ヶ月間経営を見た事があります。その時の状況とこの湯河源日式温泉の状況
を見比べると大きな時代の流れを感じたのです。
もともと上海にはお風呂と言うと町のあちらこちらに小さいお風呂屋さんがあ
りそこでは小さな湯船があったりはするのですが日本のお風呂屋さんと言う雰
囲気ではありませんでした。そこに大型健康ランドのようなお風呂屋さんが
できたのは数年前だったと思います。雲都と言うお店ですがそれがあたって
連日多くのお客さんがあり大盛況でした。それを見た多くの人、これは中国人
も日本人もですが相次いでお風呂屋さんを開き、私が経営を見たお風呂屋さん
（2001年6月）の時点では上海市のあちらこちらに似たような健康ランド的
お風呂屋さんがあり、また、時流に乗って開店したものの同業他社が多過ぎ、
それが入浴料の値下げ競争になり、耐えられなくなって廃業するところもある
時期でした。
そんな時に、みんなで話していたのは、古北新区あたりに健康ランドのような
お風呂屋さんができれば絶対流行るのに。と言う事でしたがそれを見事に実現
したのがこの湯河源日式温泉です。そして、後発ですからよく調査されており、
あったら言いなぁと言うものが揃っています。お風呂は露天風の外気にあたる
ようなお風呂がありますし、食事は日本食もあります。この日本食はわざわざ
日本から日本人の料理人を呼んで教えてもらったと言う事ですし、マッサージ
は開店前2ヶ月間、みっちり広東式マッサージのトレーニングを受け、みんなが
同じレベルになるようにしたとの事です。
大きな時代の流れと言うのはこの湯河源日式温泉にいたる経緯の事です。初め、
何かがあたる。それを見て我も我もと後続者が出る。そして生存競争が激しく
なり淘汰され「本当に」力のあるところのみが生き残る。変化の激しい上海
ではそのサイクルも短くわずか数年でこの変化が行われるようです。
今回の場合、湯河源日式温泉は上海で知らない人がいないレストラングループ
の小南国が出したお店と言う事でお客の心を捉える事に長けていると言う点も
見逃せません。この数年、じっと流れを見ていたのだと思います。そして、
時機到来と見てこの湯河源日式温泉を開店させたのでしょう。他のお店を十分
に研究し、いいところを取り入れています。
この流れは淘汰されてものにとっては厳しいものだったでしょうが、それでも
最終的（まだ最終ではないかも知れませんが）により完成されたものが消費者
に提供されたと言う事だけを見るとこれまでの流れは必要で、多くの経験の中
から学ぶべきところを学んだものが「顧客満足」と言う形での成功を手にした
と思います。厳しい競争ですが、そのお陰で人は進歩して行く。「この世は地獄」
とは私の父の口癖でしたがこの世を地獄ととらえるか、進歩向上するチャンス
を与えてくれているととらえるかで生き方は全然違うものになると思います。
「この世は地獄」ではなく「この世は天国」だととらえて全ての事柄を自らの
成長の糧と受け止めて明るく生きて行きたいものです。
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YAMAOKA yoshinori
yammy@mti.biglobe.ne.jp
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