最近の上海事情(その10) (No.37)

最近の上海事情(その10) (No.37)


2002.10.13

前回に引き続き、日本に戻って感じた事です。

日本では情報が多い。情報過多、情報の氾濫と表現してもいいぐらいでしょう
が、その情報の中で「感動する事柄」も中国に比べると多いように感じます。

テレビの番組にしても書籍にしても、人々に感動を与える情報があります。
それはもしかしたら情報が氾濫しているからなのかも知れません。また、商業
的に感動する話がお金儲けにつながっているからかも知れません。或いはメディ
アの良心なのかも知れませんが私にとっては心が洗われる時間です。

星野富弘さん。ご存知でしょうか?身体が不自由ながらとても素晴らしい絵画
と詩を著されています。
私の母が好きだと言うので、早速インターネットで書籍を注文しました。どこ
を開いても心を打つ内容です。このような書籍。何と言えばいいのでしょうか?
一見商売にならないような、でも、人に感動を与える良書と言うのは残念なが
らまだ今の中国は少ないです。
その星野さんの書籍の中の一つ「鈴の鳴る道(偕成社)」の序に変えてで星野
さんが結婚される時に舟喜牧師の言葉として以下が紹介されていました。

「長く一緒にいればいるほどますます違いがわかるものです。でも、二人の考
えが違うからこそ進歩があるのです。違いを認めあって、良い家庭をつくって
ください。」

私が離婚した話はご紹介しました。
そして、だからこそ、日中業界で日中双方の間に立つ仕事をしていると言う事
もご紹介しました。
日本と中国、それはちょうど結婚に似ていると思います。
そして、長く従事し、色んな経験をすればするほど違いが解ります。

表面的には同じ黄色人種。
通訳を使えば言葉の問題はある程度解決するように見える。
でも、言葉の通じ合う者同士の結婚でも色んな障害があります。
違いを認め合う事ができればいいのですが、その前に違いがあることに気付か
なければなりません。それも、自分の思い込みではなく一切の偏見や固定観念
を捨てて無心に理解しなければ違いなんて見えて来ないと思います。

中国だからとか日本だからとか言っているレベルではまだまだ違いに気付かな
いでしょう。
ましてやそれぞれの立場。中国は中国。日本は日本と言う立場で相手を理解し
ようとしてもそれは初めから土俵が違うので理解できるものではないでしょう。

「違いを認めあって、良い家庭をつくる」

さて、中国の日系企業でどれだけの会社が良い家庭(会社)をつくられている
でしょうか?

中国人のふところは深い。友人を心から信用するのに何十年もかけるとも聞き
ます。表面的には日本人の言う事を「はいはい」と聞いているように見えます。
でも、本当に心から信頼しあって良い家庭(会社)を作っているのでしょうか?

日本の家庭でもご主人だけが「我が家はうまく行っている」と思っていて定年
が来た時に奥様から突然離婚を宣言される。その時にご主人は「どうしてだ?
何が不満だ?」奥様は「それに気が付かない、その無神経さ、傲慢さがイヤ。
子供がいる時には仕方なく我慢していたけれど、子供も手を離れた今、貴方と
暮らす意味はない。」

会社での「子供」は「お金」になるでしょう。つまり、日本人はお金を持って
いる。そして給料としてそのお金をもらう。お金が必要だから言う事も聞くし
逆らう事もしない。お金をもらう為に我慢はするがその必要がなくなればさっ
さとおさらば・・・
どうでしょうか?この日本人の傲慢さ、愚かさを中国に持ち込んでいる、中国
の日系企業にはそのような家庭(会社)が多いように感じるのは私だけでしょ
うか?

中国人は会社に対する忠誠心がない。よく言われる事です。でも、本当にそう
でしょうか?
日本人のような忠誠心はないと私も思います。でも、どんな会社でもどんな上
司でも無条件に滅私奉公せよ。と言う意味での忠誠心は意味がないのではない
でしょうか?
それよりも「友人」として「お互いの違いを認めあえ」ばお互いに尊敬し合う
事もでき良好な友好関係ができる。それはちょうど日本人が中国人に期待して
いる忠誠心となるのではないでしょうか?

一度、結婚を失敗している私だからこそこの事に敏感になれるのかも知れませ
ん。でも、事実だと思います。「一方的」になっては相互理解なんてあり得ま
せん。

中国の四書五経の一つ、「大学」と言う書物に以下の言葉があります。

「修身斉家治国平天下」
(天下を平らかに治めるには、先ず自分自身の行いを正しくしなければならな
い。それができて初めて次に家庭を整え、それができたら次に国を治めてその
次にやっと天下を平らかにするような順序になる。つまり、全ては自分の事を
先ずちゃんとすべきである。それができたら次に家庭。それができたら国を治
めること(会社をちゃんとすること)もでき、そうなればきちんと社会に奉仕
する事もでき結果的に天下を安らかにできる。)

日本は不景気です。でも、困難は即ちチャンス。今の不景気は「本物」を選び
出し、後世に残す為に天が与えた試練だと思うのは間違っているのでしょうか?

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YAMAOKA yoshinori

yammy@mti.biglobe.ne.jp

http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/

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