最近の上海事情(その6):(その5)の補足 (No.33)

最近の上海事情(その6):(その5)の補足 (No.33)


2002.07.14

前回の「最近の上海事情(その5)で優秀社員の中国人が日本の道路が「常時左
折可」になっていない事「日本の交通には足りない所がある」と言った事に対し
てその彼が固定観念を持っていて、理解が妨げられているような表現をしました
が、日本と中国以外の国情をご存知の方にその話をしたところ、外国では「常時
左折可(外国では常時右折可)」が当たり前だと言う事をお聞きしました。
前回の最後で「謙虚」と言う言葉まで持ち出し、固定観念の恐ろしさを申し上
げましたが私自身が固定観念に縛られていました。

自分の国を比較対照にすると言う点では、今回の発言者の彼も、私も変わりが
ありませんでした。ともに固定観念に縛られていました。

日中間の業務を専門的に行って来た私。それも、中国語を駆使し、中国人とト
コトン話をして問題や矛盾点を解決して来て、何度も何度も固定観念の怖さを
体験しているにもかかわらず相変わらず縛られています。
考えて見れば現在中国に来られている方々が固定観念に縛られてしまうのも無
理はないと思います。
そして、その中で少しずつ自分の思い込みに気付き、偏見や色眼鏡を外して行
くしかないのだとも思います。

解ったつもり、理解したつもり、つもり、つもり・・・。
それでも人は謙虚でありさえすれば理解を深めて行く事ができます。
そして、「つもり」も理解を深めて行く途中の段階で必ず通らなければならな
い経過点かも知れません。

理解を深める過程で人は数限りなく以下の経過を辿るのだと思います。

「解らない状態」
   ↓
「理解した」
   ↓
「解ったつもり」
   ↓
「理解した」
   ↓
「よく考えて見ると理解したと思ったのはまだまだ解ったつもりだった」
   ↓
「理解した」
   ↓
「謙虚になって考えるとまだまだ解ったつもりだった」
   ↓
「こんどこそ理解した」
   ↓
「いやいやまだまだ解ったつもりだった」
   ↓
「本当に理解した」
   ↓
「理解が甘かった。」
   ↓
「本当の本当に理解した」
   ↓
「まだ甘かった」
   ↓
・・・・・

私はこの過程がちょうどらせん階段のようにまるで同じ場所を経過しているよう
でも少しずつ理解が深まって行くので「理解のスパイラル」と説明しています。
本当の意味で理解するには、この作業を永遠に繰り返すしかないと思います。

私に出来る事は、「ここまででいいだろう」と自分勝手に判断するのではなく、
あくまでも謙虚に、どこまでも永遠に自分に厳しく問い続ける事です。

今の私はまだまだ甘い。

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YAMAOKA yoshinori

yammy@mti.biglobe.ne.jp

http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/

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