最近の上海事情(その5) (No.32)

最近の上海事情(その5) (No.32)


2002.06.21

今回が優秀社員を日本に連れて行った時のお話の最後です。

京都に観光に行った時の事です。せっかくのチャンスなので、大阪から一旦奈良
をまわるコースで電車に乗りました。東京や大阪は都会ですが、日本には色んな
所があると言う事を見てもらいたかったのです。

一面の田園風景を見て、一人がさかんにカメラのシャッターを押していました。
郊外の一軒家を見て、日本は各家に駐車場があるのか?などの質問も出ました。
中国で紹介される日本はテレビ番組などを含めて都会のイメージなのですが、都
会から少し離れると日本にも田んぼや畑があると言う事を実際に見てもらい、ま
た説明もする事で日本に対する理解を深めてもらったと思うのですが、その中の
一つの話です。

一人が「日本の交通には足りない所がある」と言い出しました。それは何ですか
と聞くと「常時左折可になっていないから道が混んでいる」と言うのです。

ご存知のように中国では車は右側通行です。そして、交差点では信号が赤でも
常時右折可となっています。つまり、前方の信号が赤になっていて交差点を渡る
事ができなくても、右折(日本で言う左折)は常に「可」なのです。この為に、
日本人にとって交差点を渡るのは慣れないととても恐ろしいものになっています。
信号が青だからと言って横断歩道を渡っているといきなり横から車が走って来
るのです。

ここで注目したいのはこの「足りないところがある」と言う表現です。
発言の主は車の免許を持ち、朝晩の通勤バスを運転しているのですが、「足り
ない」と言う表現がいかにも彼らしいと思ったのです。
私なら「どうして日本は常時左折可にしていないのですか?」と聞きます。
それは固定観念を持たず「理解する」と言う立場でなければ外国の状況は理解
できないからです。

彼は日本に始めて来て、日本で車がよく混雑している状況も見て、その原因を
彼なりに探しあてたつもりだったのでしょう。でも、事はそんなに簡単ではなく、
日本では左折可の問題点を熟知していて左折可で問題のない交差点はそうなって
いるけれど歩行者保護の為に中国のように基本的には左折可(中国では右折可)
にしていないと言う事を考えずに、自分の固定観念で「日本の問題点」として
左折可を取り上げてしまった訳です。

でも、この行為は日本人がよくしている行為ではないでしょうか? 中国には
中国の事情や歴史や習慣があるのに自分の固定観念で中国を判断し、それも
相手を見下すような判断をしてしまう事はないでしょうか?
上述の例で言うと:
「足りない」→「中国より劣っている」
と言う風にある種単純に自分の理解できる範囲内だけで判断を下してしまう事
はないでしょうか?

「謙虚」
自信のある人間しか、本当に謙虚にはなれません。
十分な自信のない人間ほど威張りたがるものです。
本物の人間は、謙虚であるということに「人間としての誇り」を持っています。
謙虚であるためには、「人間としての自身」と「本物の強さ」が必要なのです。
(芳村思風師)

バブルがはじけ、これからは本物しか残って行かないと強く感じています。


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YAMAOKA yoshinori

yammy@mti.biglobe.ne.jp

http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/

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