2002.06.09
次回に引き続いて、優秀社員を日本に連れて行った時のお話です。
京都に観光に行きました。
JR京都駅に着き、タクシーで金閣寺へ。
ちょうどお昼になったので、近くのおそば屋さんでてんぷらそばを食べました。
（日本でできるだけ色んなものを食べたいと言う要望に応えました。）
そして、ふたたびタクシーでJRの京都駅に戻り、買い物のために大阪に帰る新
快速に乗った途端、一人が「私のカバンがなくなった。（正確には『不見了
（見えなくなった）』）」と言うのです。
先ず気になったのは「すみません」なり「申し訳ないですが」とのお詫びの言
葉がないことです。でも、これは、長年中国人と付き合っていて理解はできます。
最近の若い中国人は別にして「すみません」や「ごめんなさい」と言うお詫び
の言葉はあまり使用しないお国柄ですから。
今回の場合、場所が外国と言う事で状況が解らず、日本人的には自分が不注意
でモノを置き忘れた為に、みんなの行動に大きな影響を及ぼし、迷惑をかける
事になった。だから、一言でもお詫びの言葉が必要でしょう？と言うのは日本
人の感覚でしかありません。（と解っていても瞬間むっととしましたが・・・）
それはさておき、大至急、カバンを忘れたであろう場所。つまり、お昼を食べ
たおそば屋さんに電話した所、預かっていて下さっているとの事。
先ずは一安心ですが、ここからが大変でした。
ご存知の方もおられるでしょうが、京都から大阪への新快速は30分間に一本。
しかも、京都から大阪（約50km）の間で止まる駅はちょうど中間の高槻。
仕方がありません、先ずは高槻まで行き、一旦降りて、駅員さんに事情を説明
して京都に戻りました。そして、京都駅の構内にみんなを待たせておいて、
私だけふたたびタクシーで金閣寺近くのおそば屋さんに行き、カバンをとって
来たと言う次第です。
カバンは無事でした。
でも、この為に時間は約2時間ロスしてしまいましたし、費用も余分にかかっ
てしまいました。失った時間について、私は問題ありませんし、カバンを置き
忘れた社員は自業自得でしょう。でも、一緒に日本に行っていた後の2名にとって
は限られた貴重な時間を無駄にしてしまった訳ですが、後の2名は特に気にして
いる様子はなく、また、当の本人も申し訳なく思っている様子はありません。
まるで「カバンを置き忘れたのは不可抗力で仕方のない事。」のようです。
おおらかと言うか、気にしないと言うか、これが中国人の「大きさ」かも知れ
ません。これが仕事に関係する事で出て来るのが中国にやって来られた方々の
悩みにつながっています。何事もきっちりしようとする日本人。その感覚で中国
で何かをする。その時に中国人のおおらかさに触れ、日本人とのギャップを感じる。
日本人としては許せない事が多々あるので、何とかしようとするのですが、なか
なかうまく行きません。中には無理やり日本人の感覚（その多くは個人の思い込み）
を中国人に強制しようとします。
中国人も何とかしようと努力するのですが、先ず日本人の考え方に対する理解
が不足している上に、習慣的にもにわかに受け入れがたいので次のような状況
になります。
・日本人「何度言っても解らない」。
・中国人「精一杯頑張っているのに解ってくれない」。
一歩踏み込んでお互いに話し合えば理解し合えるのでしょうが、言葉の障害が
ある。
最近の上海は本当に便利になり、日本人が突然来て何かをしようとしてもでき
てしまう現状もありますが、上述のような相互理解のギャップはあります。
できれば優秀な通訳（単なる言葉の通訳でなく相互理解を深める為の仕事をす
る通訳）を使われる事をおすすめしますが、それができない場合には辛抱強く
中国人の話を聞くことをおすすめします。
そうすれば必ず道は開けます。また、そうしなければ道は開けないと申し上げ
てもいいでしょう。
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YAMAOKA yoshinori
yammy@mti.biglobe.ne.jp
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