最近の上海事情(その2) (No.29)
2002.03.18 中国関連で古くから付き合いのある日本人の友人から「山ちゃん、上海の中国人は 優秀やなぁ」と言われ、また、自分自身も色んな上海の中国人と接触して確かに 優秀だと感じます。 その友人が言う「上海の中国人の優秀さ或いは大きな変化」と言うのは、この友人。 今、上海で社員の採用面接をしているのですが、その際に労働契約(※注1)の 期間を中国人が「仕事はキャリアアップする為だから一年間しか契約しない」と 言う事に驚いていました。その友人がいる無錫では考えられない事だと言うのです。 契約期間が一年しかないと、一年間が過ぎた時、契約の更新と言う所で会社側から 「来年は契約しない」と言われるとどうしようもありません。これまでの中国では 中国人は長期的な安定を求めるので長期契約を望み、会社側は将来の変化を考え、 できるだけ短い期間の契約をしたがる傾向があったのですがそれが全く反対だと 言うのです。 この友人の話はもしかしたら特別な状況かも知れませんし、その中国人が自分の 才能、能力を過信しているのかも知れません。でも、私自身感じます。優秀な人が 着実に増えて来ています。 昨日も会社にある中国人が来ました。そして、私に挨拶したい、会いたいと言う のでお会いしました。その方は常州(※注2)の出身で上海で一番有名な復旦大学 を卒業したと言う女性です。 大学では財務を学んだのですが、日本語もとても達者な方で、「財務の仕事は私の 性格に合わない。私は多くの人と会い、積極的に人とかかわり、経験と言う引出し をできるだけ増やしたい。」と熱く語ってくれました。 今の仕事は無錫(※注3)の貿易会社の上海事務所の代表として日本からの衣類の 注文を受け、工場を探し、生産して輸出すると言うものです。月給は8,000元 (約12万円)ボーナスは5万元(75万円)と言いますからかなりの高給取りです。 事務所は彼女の他に事務の女性が一人いるだけ。彼女は一人で飛び回っています。 その彼女も言っていました。「お金は重要ではない。経験を増やし能力の伸ばし、 自分自身を試す事こそが生きがいです。」と。 冒頭の私の友人は「このままでは日本なんてすぐに中国に追い抜かれてしまう」と 言っていましたがまさしくその勢いが今の上海にはあります。
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※注1:労働法で規定されています。全ての労働者は会社と労働契約を結ばなけ
ればなりません。
※注2:常州とは上海から南京の方向に約250km入った所にあります。
※注3:無錫とは「無錫旅情」で有名ですが上海から南京の方向に約200km入った所
にあります。
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YAMAOKA yoshinori
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