中国の理解のために。私の失敗(その6) (No.20)
2001.07.01 「中国で仕事をする人の精神的苦労は、日本側との間に立つ所にある。日本側 は中国の事情を知らないで、日本的感覚で色々要求してくるが、中国ではそれ ら全てにこたえることができない。すると、日本側はそれを間に立っている人 の個人の能力に問題があると誤解する。この事が駐在者の精神を痛めつける」 中国で長年駐在者を診て来られているお医者さんの言葉です。 身体的なものも当然あるのですが、中国駐在員ならではの精神的苦労を良く表 していると思います。 今の中国ではオーナー会社。つまり、社長自らが中国に来て会社の経営を行う と言う企業も増えて来ているのですが、まだ圧倒的にサラリーマンが多く、そ のサラリーマンは上述のように精神的に日夜苦しめられている例が多いと思い ます。 この私も例外ではありません。 日本の状況と中国の状況の双方を理解していて、日本の要望が正しい事だと解 っていてもそれを中国で実現するには自分ひとりではできず必ず中国人が介在 しますし、中国独特の習慣や考え方がありますし、電話事情や連絡事情もあり ます。 日本の要望は往々にしてそれらを考えずに「こうでなければならない」「こう であるべきだ」と言う形で出され、確かにそうなんだけれど、それをここ中国 で実現するには・・・。と説明しようとするのですがそれを説明した所で理解 してくれるはずはなく、最終的に日本から「言い訳はいらない。実現せよ」と なる。 そして、実行しようとして様々な中国的な問題を解決し、なおかつ、一度手を 施した事が後戻りしないように常に気にかけながら全速力で前向きに走るので すが障害が多すぎるので変化の速度が日本的感覚よりかなり遅くなります。 するとまた日本側から「仕事が遅い」とか「遊んでいるんだろう」とか言われ るわけです。 このような状況なのですが、これを言った所で単に愚痴になるだけ。そして、 愚痴を言うよりも、それらを解決するのが私たちのように中国関係業務を長年 やっている者の役目だと思っています。 そうです。解っているのですが、それでも時々思うのです。 「中国業務を選んで間違いだったか」と。 「中国で会社を経営するには日本人では無理。中国人でなければできない。」 「日本と中国の両方に中国業務に詳しい者がいなければできない。」 ======================================== YAMAOKA yoshinori yammy@mti.biglobe.ne.jp http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/ ======================================== 「Yammyレポート」 バックナンバー
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