「普通」になった上海 (No.2-7)

「普通」になった上海 (No.2-7)



2001年12月11日、中国のWTO(世界貿易機関)加盟が発効しました。そのとき、
JETRO(日本貿易振興機構)が上海で開催した説明会である講師が「これで数年
すれば中国は普通の国になる」と説明していました。

これは貿易上の話で、それまでは国際間の取引でいろいろとあった問題が国際的
な機関であるWTOに加盟することでまさに国際化し、他の国と同じ、つまり普通
の国になる。という説明だったのです。

その後すでに数年経っています。貿易の世界では予言の通りどんどん「普通の国」
になっているようで、中国を訪れる日本人も中国が特別な国だと意識することは
あまりないようです。

確かに上海は変わりました。

先日、上海の地下鉄に乗っていると目の前の若い女性が私に向かって「カバン
(の口)が開いてるいるよ」と声をかけてくれました。突然、それも地下鉄の
中で声をかけられたのでびっくりしていたらまた別の若い女性も「カバン(の口)
が開いてるって」と教えてくれます。

ふと見ると、確かにカバンが開いていました。そして、思いあたったのは「スリ
にやられたか!」でした。

上海のスリはカバンを開けて中のモノをスリます。場合によってはカミソリなど
でカバンを切って中のモノを盗るのですが、それに「やられたか」と思ったのです。

カバンの中には全財産とパスポート。
あわてて「謝謝!」とお礼を述べてカバンを閉めたのですが中のモノが盗られて
いないかが気になって地下鉄を降りてすぐに確認しました。(地下鉄に乗って
いるときにすぐに確認したかったのですが平然としたふりをしました。)

幸い何も盗られていなかった。つまり、私がカバンを閉め忘れただけなのですが、
このときの状況。今の上海の変化をよく表していると思ったのです。

もともと中国は閉鎖的な国でした。1985年に仕事で訪中してもタクシーの運転手
はあまり我々外国人と話しをしてくれません。まだまだ外国人は特別の存在だった
のです。それが地下鉄の中で、スリにやられたかも知れない外国人にとても自然に
カバンが開いていることを教えてくれた。

最初、何を言っているのかわからなかったのですが、それはまさか話しかけて
くると思っていなかったからです。

こちらは外国人。
何かあっても遠慮して言わないのがこれまでの中国だったのですが、今はまったく
変わりました。

外国人がもう当たり前の存在になったのですね。
そして「普通」に接してくれた。

その昔(1982年?)天津の駅で日本人が珍しいと取り囲まれたことと比べると
わずかの間にここまで変わるとは想像がつかないと思います。

しかも、声をかけてくれたのは若い女性で一人っ子政策で一人っ子として育てられ
たはず。甘やかされているかと心配するなんてとんでもない。外国人に対し、スリ
にやられているかも知れないので急いで、外国人であることに物怖じせず、しっかり
と教えてくれた。

中国はよい方向に進んでいるようです。

2007.02.01


Yammy
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YAMAOKA yoshinori
yammy@mti.biglobe.ne.jp
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