手袋事件:その4 (No.2-18)

手袋事件:その4 (No.2-18)



品質ミーティングから一週間が過ぎました。
さすがにいつも一緒にいるので話をしないという不自然さは長続きせず、
少しずつ以前の雰囲気に戻って来ました。

中国人研修生たちも頭では理解しているのでしょう。
品質ミーティングでの発言者はあくまでも社長の息子である管理者であり、<
私はその通訳をしただけであることを。

でも、同じく日本人であり、また、私の口を通じて説明が
なされたものだからどうしてもすっきりしなかったのでしょう。

「山岡は言葉がわかるし中国人の味方だと思ったがそうでもない。
 日本人はやはり日本人。付き合い方には気を付けた方がいい。」

そういう感じなのかも知れません。

私の仕事はちょうどイソップ童話に出てくる「こうもり」のようなもの。
中国人でもなく日本人でもない。

動物と鳥の間で動物には自分は動物であるといい、
鳥には自分は鳥であるといい、最終的にどちらのも信用されない。
そんな中途半端な「こうもり」になることが必要なのが
私の仕事の特徴かも知れません。

中国人に対しては日本人として対応する。
日本人に対しては中国人を擁護する。
つまりどちらにとっても「自分の側の人間」ではないのです。
ですから、中国人には「山岡はいつも日本人の味方」と言われ、
日本人には「山岡はいつも中国人をかばう」と言われる。<

「半分(だけ)中国人」

中国人が私のことを評価する時によく使われる表現です。
普通は中国のことをとてもよく理解しているという褒め言葉なのですが、
ちょっと考えてみると半分だけわかっているだけであとの半分はわからない
という意味にもとれますね。
確かに私は中国のことを半分しかわかっていないと思います。

そして中国に関係する時間が長くなればなるほど、
そして関係が深くなればなるほどわからなくなる。

どうもそれが中国のようです。

そしてその中国と日本の間に立って、
完全に中立の立場でものごとを考え処理する。

中国人でもなく日本人でもなく、中途半端な存在ですが、
こんな人間も必要かも知れない。 そう思って日々全力を尽くしています。 (手袋事件終わり) Yammy ======================================== YAMAOKA yoshinori yammy@mti.biglobe.ne.jp Mr.Yammyの上海レポート第二弾バックナンバー ======================================== 第一弾「Yammyレポート」 バックナンバー

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