手袋事件:その3 (No.2-17)

手袋事件:その3 (No.2-17)



休みが明けて月曜日。
体育の日でもあるこの日ですが、この工場は祭日は関係なく出勤日。 その朝一番から「品質ミーティング」がありました。 夜勤は朝8時までですから少々残業することになります。 日勤は8時からですから仕事の前に(準備だけして)すぐにミーティングです。 話の内容は日本人課長(社長の息子さん)がホワイトボードに最近多発して いる品質問題を細かく書いて説明してくれました。これら品質問題がどの ような状況であるのか、そして問題発生の原因はその多くが不注意が原因で あることが説明されました。 説明は日本語でなされるのですが、いつも中国人研修生たちが理解したか どうかを確認しながら進められますし、少しでもわかっていないようなら 私が中国語で通訳します。 決して叱る調子ではなく、かといって毅然とした態度を保ちながらの説明。 また問題発生の関係者には特に確認しながらのミーティング。 現場ではなく事務所で座ってのミーティングでもあり、日本人課長の伝えたい ことは十分に伝わったと思います。 最後に、手袋について再度?確認を含め説明されました。 会社としては手袋を認めていないこと。 ただし、第二工場については外国人が多く、これまでに油かぶれが発生して いるので作業中の手袋は社長の許可を取っていること。しかし、扱っている 加工品が精密加工品であり、検査。特に精密検査が必要な場合には、測定 器具を扱う手は必ず素手でなければならないことが説明されました。 さて、その品質ミーティングの後、二十歳の中国人研修生の私に対する態度 が変わりました。私とは口をきかず、どちらかというと避けている。そんな 感じになりました。 彼にしてみればこれまで色々話をしていた私が信じられなくなったのかも しれません。あるいは、日本人のルールに対して厳しく対処するやり方が 気に入らないのかも知れません。あるいは、私を日本人側のスパイと思った のかも知れません。いずれにしても態度が変わりました。 他の中国人たちはさすがに大人とでも言うのでしょうか、態度は少し硬いの ですがそれでもできるだけ自然に対応しようとしているのがわかります。 私としては20歳の中国人研修生に「どうしたのか?」と聞きたい気持ちは 山々なのですが、今、彼にそれを聞いたところで説明してくれそうには ありません。一緒に酒を飲みに行き、話しを聞きたいところですが、それも 不自然であるように感じ、しばらく様子を見ることにしました。 彼の態度はこのように変わったのですが、その品質ミーティング以降、 中国人研修生たちはそのほとんどが手袋を外して作業をしています。そして 例の20歳の彼は、作業中は手袋をしていますが、検査のときにはちゃんと 手袋を外しています。でも、これまでなら仕事中、顔があったら微笑み あっていたのですがそれがなくなりました。ずっと硬い表情のまま、黙々と 作業を進めています。 本当は手袋を外さなくても問題ないと思っている彼。でも、「信じてもらえ ないのなら仕方ない」とあきらめている彼。 そうそう、他の中国人もこのようにあきらめているようです。この業界で 10数年の経験を持つ中国人研修生ですが、彼の経験から良いと思われる方法 を提案しても聞き入れてもらえず「日本で働けば働くほどやる気がなくなる」 「信じてもらえないのなら意味がない」とたまにつぶやくのです。 以上のようにかなり不自然になった私と中国人研修生たちとの関係ですが、 今はこのまま様子を見るしかないと思っています。 (続き) Yammy ======================================== YAMAOKA yoshinori yammy@mti.biglobe.ne.jp Mr.Yammyの上海レポート第二弾バックナンバー ======================================== 第一弾「Yammyレポート」 バックナンバー

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