手袋事件:その2 (No.2-16)

手袋事件:その2 (No.2-16)



中国人研修生(20歳、日本歴半年、男性)に「あいつはいつも自分の機嫌が
悪いとやって来て何かと嫌がらせを言う」と言われる日本人管理者(18歳、男性)
にさりげなく検査時の手袋使用禁止についてどのような意味があるのかを聞いて
いました。すると「以前、本社で注意されたことがある。」とのこと。そして、
その次に「精密加工をしているので素手の感覚が重要」であることについて
いくつかの説明がありましたが、私としては最初に「(本社で上司から)
言われたから」と発言されたことが気になりました。

どうも自分が言われたから部下?である中国人にも言う。ちょうど学校の運動部
などで後輩いじめがあったとき自分が先輩からいじめられたから後輩もいじめる。
と同じような感覚を感じました。

とは言え、この日本人管理者に言うことは会社としては正しいことであることも
同時に確認したので中国人研修生にこのこと(本社でも禁止されていること)を
伝えたのですが軽く笑って受け流すだけ。このままでは二人の関係はますます
悪くなると思ったのでこの若い管理者の上司である、職場の課長である社長の
息子さん(29歳男性)に報告しました。息子さんは「ちょっと考えて見ます」
とのことでした。

この息子さん、なかなかの人物です。中国人研修生を受け入れたのはもう3年
以上前で、最初はこの息子さんがつきっきりで教えたとの事。自分自身で教える
ことの難しさを十分に知っている。そして人間関係の大切さも十分に知っている。
しかも会社として中国人研修生に頼らざるを得ない状況であることも認識して
いる優秀な人物で、今回も、手袋を外せと言うことは言えるが、それが他のどの
ようなことに影響するかを慎重に考えているようでした。

このような情けに厚い課長なのでこのような状態が続くと心労も重なると考え、
できたら中国人研修生が手袋を外してくれたら全て丸く収まると思い、お昼休み
などに「あの日本人管理者はまだ18歳。まだまだ子ども。君は外国で働く大人。
相手は子どもだから不満に感じるだろうがココは聞いてあげてはどうか?いや私
からお願いする。どうか、手袋を外してやってください。」

余計なことかも知れません。でも、このように言うことで中国人研修生のメンツも保て、職場が丸く収まれば
よいと思ったのです。

さて、その結果、中国人研修生は手袋を外してくれました。
私が「ありがとう。ちゃんと手袋を外してくれているんですね」というと:
「しかたないよ。相手は子どもだし、言う事をきいてやるよ」とのこと。
これでめでたしめでたしと思っていたのですが、2日ほどして、日本人管理者が
外出した時に、この中国人研修生はなんと手袋をしたまま検査しているのです。

「おいおい、他の日本人もいるのだから」
実際、その時には事務所の日本人二人が現場に降りて来ていたしそのように言うと:
「あの人たちは関係ないからだいじょうぶ」

まだまだ若いというか、純粋というか、人を疑うことを知らないというかそれとも
世間知らずというか、とにかくこの感覚は少々幼い感じがします。本来ならこの
純粋さは大切なのでしょうが、実はこの少し前、私は息子さんから聞いていたこと
があるのです。

「手袋について事務所の人たちの意見も聞いてみた。その結果『手袋をするのはだめ』
ということでした。」この意見を言った人たちはつまり、中国人研修生が「あの人
たちは関係ないからだいじょうぶ」と言ったその人たちなのです。

さてさて、この結果、果たして事態は急展開することとあいなりました。

(続く)


Yammy
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YAMAOKA yoshinori
yammy@mti.biglobe.ne.jp
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