中国の理解のために。私の失敗(その5) (No.19)
2001.06.24 今回は、私ではなく私の家内の失敗をご紹介します。 今年の5月末。家族と共に上海にいたのですが、帰国する事になりました。 マンションを引き払っての帰国です。 家具や家電製品のほとんどはマンションについていましたし、日本には家を持 っていませんので一部の個人的なものを除き、家財道具は上海で処分しました。 その時の事です。 家内がカーペットとふとんをある上海に残られる方にお譲りしました。 もちろん無料で、そしてクリーニングをしてからお譲りしました。 失敗と言うのは次のような複雑な状況にしてしまったからです。 1.先ず、カーペットをクリーニングに出す。 2.帰国間際にふとんをクリーニングに出す。 3.その控えをお譲りした方に渡して、クリーニングができたら直接その方の所に届けてもらうようにした。 日本だったら少々複雑ですが、あまり苦労もなくこれら一連の作業ができるで しょう。でも、中国では少し事情が違います。 先ず、クリーニングのように物を渡す場合には間違いを防ぐ為に必ず「控え」 をもらいます。これは日本も同じです。 そして、物の引取りには必ずこの「控え」と引き換えにする事で間違いを防ぐ ようにしています。 ですから、今回のように、「物を渡す人」と「引き取る人」が違う場合には、 例えば「控え」にあらかじめ「引き取る人」の名前や住所や連絡先を記入して いれば特に問題はなかったでしょうが、今回は、1.のカーペットは自分の名 前。2.のふとんははさすがに時間もなく、私もそばにいたので「引き取る人」 の名前にしました。 しかし、これをクリーニング店の店員さんに説明するのは一苦労です。 家内は簡単に考えていたようですが、中国ではシステム通りにする事が第一で 融通を利かせるのはある意味で間違いを犯すことでもあるのでとても厳格です。 逆にこの店員の立場になったら理解しやすいと思いますが、もし、クリーニン グした物を「控え」とは別の人に渡してしまったら。そして、本当の持ち主が やって来たら・・・ 中国の日系企業の中でも上述と似たような事が起きていませんか? 中国人は融通が利かないと思っていませんか? 確かにお客さんの要望に従って臨機応変に処理する事も重要ですが、それは中 国のシステムを理解し、中国人の立場を理解した上で、それもできれば事前に 教育なりマニュアルとして書面にしてシステム化しないと、融通を利かせた為 に間違いが起きると言うことになりかねません。 そんな杓子定規な事では困る。もっと頭を使って臨機応変にしてもらわないと困る。 そんな声が聞こえてきそうですが、その前に自分が外国にいて外国人を相手に している事を再認識し、自分が先ず頭を使ってあらゆる状況を考え臨機応変に 対応できるシステムを作る事が大切だと考えて戴きたいものです。 ======================================== YAMAOKA yoshinori yammy@mti.biglobe.ne.jp http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/ ======================================== 「Yammyレポート」 バックナンバー
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