中国は変わった?変わっていない?(その11) (No.12)
2000.02.18 中国を理解していく過程、段階の次の4つの段階ですが引き続き私なりの考えを申 し上げます。 1.好奇心。 2.不満。 3.知ったかぶり。 4.新しい世界になじむ。 始めは当然ですが、興味津々。見るもの聞くもの全てが新鮮で好奇心旺盛。 それが、ある程度理解が深まると好奇心が不満に変わる。 「どうして中国はこうなんだ」とか「これだから中国は・・・」。 この不満の段階を乗り越える事ができればその不満な点も含んで、様々な問題ご と中国を理解しようとする。そしてその時には自分の中では「一通り中国の事は 理解できた」と思ってしまう。 ある意味では中途半端な理解の状態で多くの誤解を含んでいる状態ですが、全く 中国を知らない人たちに比べるとはるかに中国を理解している。 だから、誰かに「中国と言うのはこういう国だ」とか断定的な事を言ってしまう しまた人もそう言う回答を期待するでしょう。 でも、中国は広大でふところがとても深い上に、変化も激しい。 一人の人間が体験できる事は、土地も人間関係も様々で、普遍的な事実を含んで いるとは言え絶対的な真理ではないと思うのです。 確かに自分の経験は大切で価値がある事なのですが、だからと言ってそれが中国 全体を理解したと言う事ではなく、あくまで自分と言う限られた世界での理解に 過ぎない。まだまだ謙虚に、自然体で中国を理解する努力を惜しんではいけない と気付き、意識的に好奇心をもって中国を見ないと誤解や勘違いになってしまう と思うのです。そしてやっと変化を変化としてとらえる事ができるのではないでしょうか? さて、誰よりも旺盛な好奇心。そして、不満も克服し、中途半端な理解の段階を 越え自然体であるがままに中国を見る事ができるようになるのですが、それで終 わりかと言うとそうでもないようなのです。 最終段階の深さで何度もこの4つの段階を経験するようなのです。 理解には忍耐が必要だと思います。 誤解をできるだけ避けて、偏見を持たず、わずかな変化をも逃さないように努力 し続けるのは。それも長い時間に渡ってし続けるのは並大抵の事ではないと思います。 努力し続けてやっと第4段階に進んだとしても、好奇心を失わず努力しているとまた第1段階に戻ってしまう。 ちょうど、第1から第4までを1サイクルとするとそのサイクルを何回もまわす事になると思います。 人によってはサイクルを一回まわしただけでほぼ理解することが可能でしょう。 でも、少なくとも私は何回もこのサイクルをまわしています。 自分で「これでやっと自然体になったな」と思っても、好奇心を持ち続けるとま た新しい事に気付きこれまでの自分の理解が浅いものだと知り、再度、このサイクルをまわします。 これは今後もずっと続くでしょう。そして、続けなければならないとも思っています。 それだけ中国は理解しにくく、また変化も激しいと思います。 「そんなに理解することが難しいのなら理解できないではないか?」と思われるかも知れません。 もちろん、サイクルをまわした分の理解はできます。 でも、それはあくまでも限られた経験であり、それも変化している中国を意識し てその理解も変わって行くと言う前提を持っていないと誤解になって行くと思うのです。 解りにくい中国。でも、一生かけて理解しようと努力するだけの面白さがあると思います。 ======================================== YAMAOKA yoshinori yammy@mti.biglobe.ne.jp http://www2s.biglobe.ne.jp/~yammy/ ======================================== 「Yammyレポート」 バックナンバー
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