中国の長距離バス事情
2008.01.12 中国の広さは果てしない。日本とは比にならない。皆さんご存じのこの事実。 そして、何より10億人を超える人口。想像できる移動の困難さ。鉄道記は関口 さんがNHKでやっておられる。 実際に中国で生活すると分かること。それは日本がどれだけ便利で快適かという ことだ。NHKも鉄道を通して伝えたかったことの一つではなかろうか。 今回は中国の長距離バスについて。 広い中国を網の目のように鉄道が走っている。でも、さすがに鉄道だけでは 機動性に欠ける。そのときに役立つのが長距離バスだ。ありとあらゆるところ 路線があり、都会のバスターミナルの大きさもちょっと想像しにくいぐらいだ。 もちろん、利用者数もすさまじい。 国慶節前にターミナルに行ったときは、 びっくりした。車が動かないばかりが、人が多すぎて入り口がどこにあるか すら分からないのだ。長距離バスの仕組みは日本と大きく違う。日本では通常 バス会社がバスを購入し、運転手を雇い、運行させる。ところが中国の長距離 バスの多くは個人事業主だ。つまり、個人が自分でバスを買い、ターミナルに 利用料を払い、自らお金を徴収して運行する。 当然ながら、その関係で一つの路線に複数のバスが走ることもある。彼らの 収入は、乗客からの運賃。 だから、彼らはとにかく利用者が欲しい。上海 から700キロほど離れた地方都市に行くバスの実情を追った。 彼らは、朝5時に上海のバスターミナルを出る。そして、高速道路に乗るまで の一般道路で立ってバスを待っている人たちを交渉する。要は値引きしてやる から、乗らないか?という話だ。 待っている人も賢い。ターミナルで正規料金を買わなくても、道で立っていれ ばバスの方から値引きをしてくれる。そして、途中下車する人を含めたありと あらゆる人を乗せてバスは進む・止まるを繰り返す。一人でも多くの客を掴む ため、一般道路で走るバスは、何回も止まり続けるのだ。 当然だが、毎日、座れないほどの人を積んで高速道路に乗る。しかし、高速 道路のいくつかの場所で、定員オーバーのバスから罰金搾取を狙っている警察 がいる。バスの管理者は、警察がどこで張っているか、全て分かっている。 バス仲間とはその情報交換を欠かさない。どうやら無線はそのためにあるよう だ。 そして、検問の直前、バスの乗客に訴える。 「まずカーテンを閉めろ。そして、立っている客はとにかく座れ。それでも 無理な人はトイレに入れ」である。2人用の椅子に3人が詰め込まれ、ある者 はトイレに、ある者は、通路で寝そべる。そうやって検問を潜り抜ける。 これ が毎日繰り返されているのが、中国の長距離バスだ。 でも、みんな普通にリラックスしている。クッション機能もなくなったような 椅子にもたれて中国茶を飲んでいる人もいる。パソコンを開いて何かのデザイン を作成している人もいる。コーヒー片手にタバコを吸っている人もいる。 この長距離バスは、700キロを走るのに運賃1,000円だ。 Mr.ODA ========================================= 上海と日本を半々で過ごす公認会計士が 上海で中国人向けのカフェを開くために 奮闘。その素人出発の奮闘記を人生論を 交えてブログに綴っています。 ●ブログ:http://ameblo.jp/shanghaiproject/←閉鎖 ========================================= 「公認会計士を捨て、上海でカフェを開く」 目次へ
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