ネットショップの実名登録制度が７月１日より始まっているが。

2010年9月14日

　工商局が、ネットショップ管理の法律《網絡商品交易及有関服務行為管理暫行法》を出す見込みですが、現段階ではネットショップの運営者は本名を登記しろというものだけです。そして取引量が多い店は、工商局への登記をしろ、ともされています。

【参考記事（中国語）】
http://tech.ifeng.com/internet/detail_2010_06/19/1642288_0.shtml

（記事の大意）

　あるタオバオで成人用品を販売している店主は、実店舗も持っているが、タオバオにも出店した。しかし、月商５０万元を越えた時点で工商局の政務部門が突然査察に来て、サイトを封鎖した上に罰金１０万元を要求した。彼の場合、実店舗は工商局に登記しているが、ネットショップの経営は定款に入れていなかった。ネットショップの本名登録と工商局への登記も、彼にとって、別に悪い事ではなく、合法的な経営を保障するものである。それに悪質なサイトがあるのも事実なので、かえって良いことだろうと彼も考えている。

　しかし、問題は、彼の商品の粗利益は５％程度しかないことだ。ネットショップの優位性は、実は価格に在り、もし実店舗と同じ税率を適用されるなら、利益が出ずに閉鎖を考える必要もあるという。ほかの化粧品販売の店主も、月に２千元しか稼いでいないのに、税金を取られるなら辞めた方がマシと語る。

　実際のところ、まだどういう形になるのかは、はっきりしないが、ネットショップの工商局への登記が進められると同時に、当然、課税もされるだろうと見込まれている。中国政府のＥＣ促進策もあり、現在ネットショップには課税がされていない。　

⇒さてさてどうなるかですね。タオバオで商品が安いのは、別に偽物だからというわけではないんですね。今のところはC2Cは個人名で出店し、モ－ルの出展料も無料。利益が出ても、サイトそのものには課税はされていません。課税に関しては、厳密に言えば個人の所得として個人所得税が課されるはずですが、それも生活費以外を事業に回しているような証拠書類があれば、おそらく大したことはないでしょう（実は今まで何も言われていません）。

　となると「純粋に粗利益で自分の生活ができれば良い」というのがタオバオC2Cの基本的な構造で、企業が独自サイトを作るならサイトの開発費、帳簿をつけるための経理人材の費用、これが外資で日本人がいるなら駐在員費用、などコストが膨れ上がるのに対し、C2Cのオーナ－は一般に自宅か、そうでなくても比較的賃料の安い住宅（一般に同条件の事務所より家賃、ネット回線費共に安いです）で最低限のコストで店を運用しています。

　そのために粗利益は非常に薄く(商品によりますが)、記事のような５％なんて当たり前。単価の高いものなら１％～２％程度の粗利益でも販売しようとします。ホワイトカラ－の月世帯所得が２万元（２４万円）あれば、日本の年収１千万円の所得者程度かそれ以上の生活がおくれますので、この程度の利益で満足する人も多いんですね。

　それが良いかどうかは考え方次第で、メ－カ－サイドとしては価格体系をガタガタにしてくれる悪の存在にもなりますが、一方、ユ－ザ－側としては本当に安く買えるというメリットがあります。日本の楽天でもサイトの粗利益率は１０％も行かないという話を聞きますけど、そんなの目じゃないんですね。もちろん、生活コストが安いと言うのが絶対的な条件の相違ですけど。

　この記事を書いている時点では、特に工商局からの問い合わせも無いので特に今は何もアクションを取っていません。まぁ、登記を求められれば登記し、食品を扱っているので衛生許可を取り、課税するなら今ＰＯＳでざっくり僕が作っている帳簿をもう少しまともにし、納税額を抑えるように工夫するだけなので、管理手間が増える分がコストではあります。

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『中国市場進出/販売実践会』
タオバオでの中国販売で日本人経営店唯一とも言える、
王冠３つ(好評価を得た取引数が５万回以上)の信用度を
誇る内田信が、中国市場に進出し販売する上での注意点
・反省点などを共有する場を作ろうと立ち上げた会です。
http://www.step-to-china.com/
代表内田のブログ
http://www.step-to-china.com/blog/
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ネットショップの実名登録制度が ７月１日より始まっているが。