第七回 表装

第七回 表装

  
さて、今日は「裱(ビャオ)」と呼ばれる表装作業についてお話しましょう。 

農民画は和紙に描くことは以前お話しましたが、最後に表装作業がまっています。
日本の江戸時代の版画は設計師、彫刻師、印刷師、表装師など作業ごとに
分化されていたそうですが、農民画は全部ひとりでやらなくてはいけません。
(最後は販売も自分でやっています...!) 

さて、その表装ですが、水糊を使って和紙を2枚、絵に貼り合わせてゆきます。

これが実に難しい...。

もしかすると絵を描くことよりも難しいかもしれません。すごく緊張します。
なぜなら、この作業に失敗すると、一生懸命描いた絵も台無しになってしまうのですから...。 

でも先生曰く、慣れれば簡単らしいので、ぜひ皆さんも挑戦してみてくださいね。

では早速「裱(ビャオ)」の詳細についてお話しましょう。 

準備するものは以下の通りです。

表装で準備するもの・水糊

・糊を塗るはけ

・こするためのはけ

・和紙(厚いもの)2枚

・新聞紙1枚

・絵

・画板 

�@まず水糊に水を足して濃度を調整します。
こぼした時に若干粘り気があるくらいに調整するとよいようです。 

�A和紙を机の上に置き、調整済みの水糊をはけで1枚目の和紙に塗っていきます。
糊はたっぷりと、和紙の真ん中から四隅に向かって塗ります。このとき、
空気が和紙と机の間にあるようなら、はけでこすって空気を押し出します。
水糊をはけで塗っていく

�B糊のついた和紙の上に、もう一枚の和紙を重ね、
再び水糊をはけで塗っていきます。方法は1枚目と同じです。
もう一枚の和紙を重ねる

�Cいったんここで塗りすぎた糊の量を調整します。
糊のついている面を上にして、2枚重ねの和紙を新聞紙の上に置きます。
2枚重ねの和紙を新聞紙の上に置く

�Dいよいよ絵に貼りあわせます!
絵を裏返しにして机の上に置きます。
いよいよ絵に貼りあわせます

新聞紙から和紙をとり、糊のついた面を下にして絵に重ねます。
そして、すばやく、はけで上からこすります。空気が残らないように、
真ん中から四隅にはきだすようにこすっていきます。
いよいよ絵に貼りあわせます
いよいよ絵に貼りあわせます

�E和紙と絵が完全に密着したら、裏返っている和紙の四隅に糊を塗ります。
いよいよ絵に貼りあわせます

�F画板に貼り付け、日陰で乾燥させます。
いよいよ絵に貼りあわせます
いよいよ絵に貼りあわせます

乾燥したら、カッターナイフなどで切り取って完成です。

農民画はまるで印刷のように均一に塗装された仕上がりが特徴ですが、
それは表装作業で水糊が全面的に塗られ、色むらがなくなるからなんですね。 

「糊付け作業」と「色むらをなくす」作業を一気に行う「裱(ビャオ)」。
こうしたひとつひとつの作業の中にも、中国の農民たちの知恵が生きているんですね(つづく) 

金山農民画家への道 バックナンバー

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コトータケヒコ
上海在住の会社員。仕事の傍ら週末に金山に通い、
農民画家・陸永忠に師事。09年5月金山農民画院より
外国人第一号の金山農民画師に認定。日本農民画協会会員。
ホームページ(移転しました):http://nominga.net
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カテゴリー:金山農民画家への道

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