中国、宅急便で撃沈。

中国、宅急便で撃沈。

「ちょろいもんだぜ、 中国生活」バックナンバー


上海在住ののむてつさんから頂いた、 上海生活レポート 『ちょろいもんだぜ、 中国生活』 (No.5) 2004.10.14 今日は、自宅で仕事。 宅急便が必要になり、宅急便会社に 電話したんです。 電話した先は、安い値段を求めて、 ローカルの会社。当然、中国語オンリーです。 前は、よく使っていたんです。 電話して、取りに来てもらって、 住所書いて、送る、という感じ。 荷物が一つだけでも取りに来てくれて、 しかも、市内なら送料は150円くらい。 ただ、自分だけで全部をやったことは 無かったんですよね。 前に使っていた会社の電話を忘れてしまったので、 今回は、電話帳で調べて、別の会社に挑戦! 電話をかけます。 「トゥルルルルル...ウェイ、ニーハオ!★△※■Z」 うう、やっぱり...中国語が速い。 でも頑張って、簡単な会話で応戦。 「そちらは、宅急便の会社ですか?」 「そうです」 「送りたいものがあるんですが...」 「ハ?」 「だから、送りたいものがあるんです」 「少々お待ちください」 プップップップッ...という音。 「はい、何か御用ですか?」 出てきたのは、別の人。 「いや、だから、送りたいものがあるんです」 「どこまでですか?」 「市内です」 「では、少々お待ちください」 また、プップップップッ... 「ハイ、何の御用でしょうか?」 また、別の人! イライラを押さえつつ... 「だ・か・ら、送りたい荷物があるんです!」 「送り先はどちらですか?...市内ですね。  市内のどこですか?浦東の?  え?どこですか?何ですって?  う〜ん、少々お待ちください」 プップップップッ... 「何の御用でしたでしょうか?」 またまた、別の人... 泣けてきますが、がんばります。 「はぁ〜、あのね、荷物をおくりたいんです...」 「わかりました。送り先は、どちらですか?  ハイ...市内ですね。浦東。ハイ、わかりました。  で、そのあとの住所も教えてください。  え?どこですか?え?う〜ん...  (私の中国語がわからない様子)  じゃあ、お客様の住所は?  あ、ハイ、それはわかりました。  じゃあ、お名前をお願いします。  はい?う〜ん。え?なんですか、それ?  ちょっとわかりません...」 地名や人名って、伝えるの、苦手なんです。 漢字の正しい発音ができないと、わからないんです。 よく説明の方法としては、「野村の野は、野生の野です」 というふうに説明するので、私も挑戦してみたのですが、 「野生」が通じない。 でも、私も、もうちょっと頑張ってみました。 ちょっとひらめいたんです。 「動物園って、わかります?はい、そうそう。  上海に野生動物園って、あるじゃないですか?  その野生動物園の、野、です」 「はい!はい!野生動物園の、野、ですね!  わかりました。では、その次の文字は?」   ...通じず。  5分くらい話したでしょうか。 あ〜でもない、こ〜でもない。 もう、私も我慢の限界。 「も〜〜〜う、私の住所はわかったんでしょ?  それなら、そこに一人取りに来てくれれば、  そこで書きますから、大丈夫でしょ!!  それで、ダメなの?!(怒)」 「いえ、でも...そういうわけにはいかないんです...。  ちゃんと送付先と、お客様のお名前をいただいて  おかないと...ちょ、ちょっと待ってください」 電話の後ろで相談しているのが、 聞こえます。 「...外国人なのよ...全然わかんなくって...」 戻って来ました。 「もしもし?やっぱりごめんなさい。  もう一度、教えていただけますか?」 そのとき気づきました。 この人、良い人だ...と。 普通だったら、こんなうっとうしい客、 電話切ってしまって終わりですもんね...。 彼女は、怒ることもなく、根気強く聞いている。 ついつい強く言ってしまった自分を反省...。 そのとき、フッと思いついたんです! 「私、携帯電話がありますから、  書いて、メッセージを送ることができます!!  そちらのどなたかの携帯電話の番号を  教えてもらえませんか?」 「はいッ♪そうですね!  じゃ、私のを。130の...  私の名前は、葛です」 えっ?おネーちゃん、 自分の携帯番号教えちゃって、ええの? と思いましたが、全然気にしてない様子。 「では、お名前と送付先を送ってくださいね。  それでは、お客様の住所にうちの者を行かせますので。  お客様のお名前は...、えっと、どちらの国の方ですか?  ハイ、日本ですね。じゃあ、一応、『日本』様としておきます。  何かありましたら、こちらにお電話ください。  私の名前は、葛です。内線番号は○○○ですので。  それでは、失礼します」 『日本様』って、俺のこと? いやいや、そんなことは、いいんです。 なんとか無事終了したんですから。 そして、携帯メールを送りました。 すると、すぐに葛さんから、メールが。 「メールいただきました!  会社の者が行きましたでしょうか?  もしわからなかったら、また電話してくださいね。  会社の電話番号は、○○○○ー○○○○です。  葛を呼んでくださいね。わかりましたか?」 私が、返事をすると、 またメールが。 「いえいえ、どういたしまして。  今は、会社の者が来ましたでしょうか?   本当にすみませんでした。  私が外国語をわからないばっかりに、  あなたに不便な思いをさせてしまいました。  許してくださいね。  あなたが毎日楽しく過ごされることを  願っております。  私はあなたをずっと覚えてますよ:) 」 うわぁ〜、あかん、めっちゃええ人...。 のむてつ、撃沈。 これって、絶対、 マニュアルの対応じゃないですもんね...。 やっぱりやばいなぁ、中国。
のむてつ
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「高校教師やめて上海」のむてつ
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