バスガール







上海在住ののむてつさんから頂いた、 上海生活レポート
『ちょろいもんだぜ、 中国生活』 （No.2）
 2004.05.03


今日は久しぶりにバスに乗りました。

前から日記にちょくちょく出てきたりしていますが、こちらのバスって、車掌さん
がいるバスが多いんです。女性ばかりですから、イメージは、あの、昔、教科書
で見た『バスガール』です。

乗車すると、バスガールがお金を回収しに来るんです。でも、このバスガール、
運賃の回収だけでなく、結構いろんな仕事をしているんですよ。

上海の車の運転って、みなさんご存知ですか？すごいんですよ。一言で言うと、

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 人同士がすれ違う距離で、人と車がすれ違う。
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これは、カルチャーショックを受けます。(まれに肉体的ショックも)
大体２ヶ月くらいで、感覚が推移していきますね。

「怖いよ〜」
　　　　　⇒「ムカッ！」
　　　　　　　　　　⇒「譲ってやるもんか」
　　　　　　　　　　　　　　　⇒「ぶつかられる」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　⇒最初に戻る

人に対してでもそうですから、車同士の駆け引きは、もっと激しい。　

左折レーン(中国は車は右側通行)って、車が溜まるじゃないですか？
当然、このワガママな鉄のカタマリたちは、「いかにして、上手く割り込みを
するか？」ということに全精力を傾けるわけです。ほんの５０ｃｍ空いている
だけで、横から突っ込まれます。まさに、油断も隙もありません。

さあ、バスならどうでしょう？さすがに公共交通機関。割り込みなんて‥‥‥‥
余裕でします！　バスも同じ。50ｃｍの空きで、突っ込みます。すごいですよ。
割り込みというより、『幅寄せして、どかせる』という感じですから。

このときなのです。バスガールと運転手のチームワークが発揮されるのは。

まず、運転手が左折レーンに隙間を見つけます。タイミングを計り、アクセル
を踏み、幅寄せ！！　でも、ブレーキ！一回目は、失敗。

相手が悪い。隣はタクシーでした。簡単には譲りません。タクシー、しっかり
前に詰めます。今、２台は平行。

運転手からのアイコンタクトで、バスガールが後部座席のほうに移動しました。
後方の窓から、タクシーとの距離をチェック。そして、もう一度、バスが、
グイッと幅寄せ！運転手が叫びました！

運転手「ええかっ？どうや？」

バスガ「もう少しいいわよっ！」

そして、アクセル！

運転手「おっしゃ！入ったやろ？」

バスガ「もう少し！‥‥あ、だめ！もうちょっと！ちょっと‥‥ＯＫ！！」

割り込み完了ですっ！！！
(乗客は、数度のアクセル＆ブレーキに酔いそうになります)

という感じなんですね〜。
この人、このために働いてるの？と思わずにはいられないチームワークでした。

ただ、このバスガール、なかなかシブいこともやるんですよ。バスが満員の
ときでした。空いている座席は当然ありません。そんなときに、一人の老人が
乗ってきました。するとバスガール、一言！

「誰か席を譲ってあげて〜！！」

おおー！と思いません？晴れて、そのおじいちゃん、席に座ることができました。
その他にも、子連れのお母さんに、

「子供をヒザに乗せれば、もう一人座れるでしょ！」

と注意したり。結構良い働きをしてるんですよね。無駄に２人乗っているわけ
ではない、と。

でも、うすうす気付かれてます？
このバスガール‥‥

そうです！
こういう言いにくいことをズバッと言えるのは、『ガール』じゃなくて、
おばちゃん。

まあ、仕事の内容上、しょうがないか。