2007.02.04
「中国にいい焙煎機ありませんか?」
上海だけでなく、中国各地で珈琲屋さんをはじめようとしている方が多くなっ
てきているせいでしょうか、、よく聞かれることなのでちょっとここでも。
「野村さん、、中国にいい焙煎機ありませんか?」
ということですが、答えは、、
「私の目から見たものではありませんでした。」
ただ、今のご時世どこでも珈琲の焙煎ができるような機械はあるのだと思い
ます。
ただ、「焙煎という工程部分」だけを言ってしまうのであれば、今日本でも流
行っているような「銀杏煎りなどの手網(手網焙煎)」でもできますし、もっと
言ってしまえばフライパンでもできるんですよ。
沖縄の珈琲屋さんはフライパンでうまくやっていたほどです。
ひとつ考えてほしいことは、「どんな味を作りたいか?」
使う機械はなんでもいいですが、たとえば銀杏煎りの手網で、一流の味を
作ろうというのは無理です。手網が悪いとはいいませんが、素人のコーヒーです。
ただ、焙煎という意味だけで言えば、手網だってやろうと思えばできてしまい
ます。表現力の違い、、つまり、どんな機械を使用してもその機械が持っている
限界は超えられないということです。
今回の「焙煎機ありませんか?」という質問でも同じです。
今の中国にあるような焙煎機がいいのか悪いのかは、どのような意味合い
で質問してくるかによって180度答えは変わってきます。
コーヒーの「焙煎」ということはできても、、お店であれば、本人または、お客
さんがそれで納得できるのかという問題ですね。
ご飯も同じでしょう。
誰だって炊けるでしょうが、うまく炊けなければ、芯残り、またはビチャビチャ
のご飯になってしまいます。
「やり方を変えようかな?」「炊飯器を変えようかな?」うまく炊こうと思えば、
竹炭を入れる方もいますし、釜で炊く方、いろいろな考え方(問題の解消方法)
がありますよね。
そういう意味で、ただ私の場合はこれまで見てきた中国の焙煎機では、自分が
イメージしている味は表現できないため納得できなかったというだけです。
それがいいのか悪いのかはそれぞれの判断です。
なので、、
銀杏煎りのような手網だからダメ?
熱風の焙煎機だからダメ?
じゃあ、直火の焙煎だからなんでもいいのか?
そんなことじゃないんですよね。
提供する側の人間として、これは伝えていきたい。
お客さんのニーズはここにあるから、これだけは妥協したくない。
この生豆を使いたい。この焙煎機を使いたい。こんなスタイルでやっていきたい。
まずは主軸を作る(これだけは譲れない!など)ことをしなければ、
答える側としてもなんとも答えにくいです。。
まぁ妙に実感こもってるのは、自分がそういう質問ばかりしていたからだった
んですけどね(汗。。)
店側の人間が思うことと、お客さんが思うことは、必ずしも一致しません。
店側の人間がどれだけいい焙煎をしていても、良さが伝わらない「こだわり」
に意味はないと思います(個人的意見)
逆にこだわりなんかなくても、売れさえすれば・・・
商売ベースで言えば、後者のほうが正解かもしれません(倫理的なことは
置いといて。。)売り上げが上がらなければ、お店を続けていくことも
できませんし、いいことを伝えていくこともできませんからね。
はい、、、毎回話がいろんなところに脱線してしまいますが、、
焙煎にも色々な方法(それこそ手網も含めるなら)があり、それに付属する
こともあるので、「どれが一番いいですか」ということを聞かれるのが一番
答えにくいなーということです。
逆に、どのようにやっていきたいのかもう少し具体的に聞いてくれれば
お答えしやすいと思います。
アルトノイラントコーヒー 野村浩哉
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2004年4月 アルトノイラントコーヒー設立。現在は、珈琲教室や
さまざまなパーティー・イベントでのコーヒー提供、店舗へのアドバイザー
なども務める中、時間のある限り自らが電動自転車にまたがりコーヒーを
宅配している。
■ 北外灘店:上海市虹口区 北外灘呉淞路30号<<上海大厦裏>>
Tel: 021-6393-0053(珈琲豆配達可)
・http://plaza.rakuten.co.jp/hicafe/
・http://www.alt-coffee.com/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「上海珈琲生活のススメ」 バックナンバー
タグ