上海蟹を自宅で食べよう〜♪
2005年10月06日
9月下旬、10月に入ると、 蘇州に住んでいる人たちの 間で「上海蟹」という会話が頻繁に出てくるようになります。 食べることが好きな方なら、ご存知の方も多いと思いますが、上海蟹=中国語で大閘蟹(ダージャーシェ)と呼び、「味覚の頂点」と称される中国を代表する蟹で、甘く深みのある、蟹みその美味しさは絶品で、この上海蟹を食べるためだけに、上海に訪れるかたもいるほどです。 (この蟹は生きているため、泡をふいています。このような箱に蟹をいれて、おくりあう習慣が蘇州にはあるそうです。) さて、この上海蟹についてですが、産地は「上海」ではなく、「蘇州」近郊の『陽澄湖』が有名な産地になります。上海蟹の中でも陽澄湖産上海蟹が一番有名なブランドであり、カニの最高級品とされ、一番美味しいといわれています。 上海蟹の産地で有名な『陽澄湖』は総面積は119平方キロメートルあり、日本の琵琶湖の1/5の広さがあります。 2005年の生産量は3300トン程度の見込みですが、偽物も多く出回っています。 たとえば、陽澄湖近くの蘇州市の反対側にある太湖産の上海蟹を一週間だけ陽澄湖に漬けて、陽澄湖産として出荷される上海蟹もあるようです。(このような上海蟹は、俗に「風呂蟹」と言うそうです。) 現在、純陽澄湖産の上海蟹に「指輪」をはめ、偽物に対抗する措置が打ち出されています。指輪の内側にID番号が記されており、この番号で蟹の産地を証明して、業者名、側面には問い合わせ先と「蘇州陽澄湖蟹協監制」の文字が刻まれているそうです。 第1回唯亭陽澄湖「蟹祭り」 http://www.sipac.gov.cn/japanese/J-yqdt/t20051002_12468.htm (これは、調理する前の生きているカニたちです。) 上海蟹は正式には「シナモクズガニ」と呼ばれ、つめにモズク?みたいなものがついているのが特徴です。 中でも陽澄湖産の上海蟹は一般の蟹とは異なる四つの特徴を持つそうです。 (1)@青い甲羅。甲羅が青灰色で、平らで滑らか、かつ光沢を放っている。 (この蟹の甲羅が青色なのは、湖水が澄んでいたためで、泥の色には染まっていない。) (2)A白いお腹。泥が付着したえらぶた、白く透き通った甲殻には黒い斑点がない。 (腹が白いのは、湖底にすき間なく広がっているホウライシダ(湖草)がそれを擦り洗うためである。) (3)B黄色い毛。脚の毛は長く黄色く、各根元から真っ直ぐに伸びている。 (4)C金色の爪。爪が黄金色をしており、非常に力強い。 ガラスの上に置くと、八本の脚を直立させ、はさみを高々と上げることができる。 (つるつるしたガラスの上に置いても、その硬くて丈夫な爪で非常な速さで横歩きできるのは、長期にわたって湖底の固まった土の上で鍛えているからである。) 蘇州で生活を始めてビックリしたことですが、蘇州のかたは高級上海蟹を自宅で普通に調理して、自宅で堪能されるとこのことです。
上海蟹はレストランで食べると、とっても高級で、個数にも制限がありますが、買ってきて(もらい物などで)自宅で食べれば、いくつでも食べることができます♪ そして、昨日、偶然にも、ご自宅で調理されかたに、調理法を教えていただきましたので今日ご紹介したいと思います♪ 「秋風起、蟹脚痒」(西風が吹くと、蟹の足が痒くなる)、「九雌十雄」(旧暦9月は雌、10月は雄がおいしい)という言葉はとても有名です。 秋の季節に上海蟹が美味しいと言われる理由は、夏に盛んに動いた蟹が、北からのシベリア風の寒さにより急に動かなくなるためで、蟹味噌や肉が一気に蓄積されるためだそうです。
この写真の左側は「メス」 右側は「オス」です。 雌はお腹に抱いた卵が美味しく、雄はねっとりとした白子が美味しいそうです。 オスは大きく、メスは少し小ぶりです。 (オスは225グラム前後、メスは175グラム前後で、 売っているときはあわせて500グラムで売っていることが多いそうです。) 7〜8月の若い蟹を特別に「六月黄」と呼び 、秋まで待ちきれない上海蟹フリーク達に珍重されているそうです。 上海蟹は生きたまま調理する!!が重要なポイントです。 死んでいる蟹は調理してはいけません。 この、生きたまま調理するというのが、なかなか一般では簡単に食べられない理由でもあり、上海蟹が重宝がられる理由でもあるそうです。 海外や蘇州(陽澄湖)から遠い飲食店においても、生きたまま保存しておかなくてはなりません。また海外に輸出される時は暴れないように糸で全身を縛られた状態で輸出されるので、2、3日すると死んでしまいます。こういった事から非常に扱いにくい食材であり、高級品として珍重されるのだと思います。 調理方法ですが、まず縛られていますので、そのままの状態でブラシで汚れを落とすようによく洗います。このときに、たるに入れて、少し水道水につけておくと、臭みが取れるそうです。 または、蟹の紐をとり、蟹の腹にあるエラを開き、指で土や砂糞をしっかり水で洗い流して、もう一度紐で縛り直す方法もあるそうです。(蟹が生きていて、暴れるため、初心者の方は紐で縛ったままの蟹を洗ったほうがいいようです。結びなおすのは大変だと思います。) 次にしょうがをこのように用意します。 ここからの調理法はいくつかの方法があるようです。 @蟹を紹興酒に少しつけておく。 A ねぎを蟹の下に敷いて一緒に蒸す。 B 生姜の皮を蒸すときに蟹の上に散らす。 C 沸かしておいた蒸し器の湯の中に生姜・シソ・黄酒・塩を入れて、上段に蟹を置いて一緒に蒸す。 D シソの葉を敷いたセイロで一気に蒸し上げる「蒸蟹」という調理法 E 何もひかず、何もかけず、何もつけず、そのまま蒸す。 今回は生姜の皮を、蟹の上に散らして、蒸す方法を教えていただきました。 蟹のお腹が上を向いているのは、蒸している途中に蟹味噌がこぼれないように・・という配慮からです。一番、いい方法は、お皿の上で蟹を蒸すと、あふれた蟹味噌も無駄に捨てなくていいと思います。 蟹は、お湯が沸騰してから入れます。蒸す時間は、蟹の大きさによって決まります。 雌200g、雄250g程度の蟹では、強火で20分程度を基準に、±20gを±1分程度として計算します。 ここで大切なことは、蟹味噌を固まらせないことです。蟹味噌がトロ〜とした状態で、蒸し器から出すことが大切なんだそうです。 上海蟹が茹で上がりました〜♪ 綺麗な色♪です。 美味しい蟹の香りです♪ 刻み生姜を入れた香酢(中国黒酢)をつけるのが伝統的な食べ方だそうです。 または、黒酢、生姜のみじん切りに砂糖を入れたタレもあるそうです。 黒酢で食べる理由は、アミノ酸がたっぷり含まれている黒酢がカニ臭さを消してくれるからだそうです。漢方の見方ではカニを多く食すると体が冷えるため、体を温めてくれる生姜が不可欠なんだそうです。さらに、飲み物は熱燗の昭興酒に限るそうです。ビールとの愛称は悪いそうです。 蟹を食べるときの注意として ・ 風邪や熱のある場合は、食べない。 ・ 喘息や気管炎の発作中は、食べない。 ・ 蟹を食べるときに、肉、柿、スイカなどと一緒に食べない。 ・ 胃腸の弱い方、下痢気味の方、中性脂肪の高い方、高血圧の方、アトピーなど皮膚病の方、小さな子供は、食べ過ぎないように注意する。 ・ 暖かい紅茶や薄いお茶を飲むようにし、濃いお茶、コーヒー、冷たいものは避けた方がいい。 そうです。 (おすそ分けをいただきました♪どうもありがとうございました♪とっても美味しかったです♪) 1まず裏返して、甲羅の元から出ている白い三角の部分を取り除きます。 2.腹を上に向け、甲羅の元の部分から甲羅と体を分離する(この時、甲羅は下に向けたまま) 3. 甲羅に付いた蟹みそを食べる(紹興酒などを加えても、あま味が増して美味しい) 4. 蟹の胴体部の"ガニ"と呼ばれる灰色の蟹の肺器官をきれいに取り除く。 5. 胴体を食べやすいように分割し、調味料とともに頂く。 ☆食べるときの注意☆ 蟹の胃・腸・えら・心臓等は食べられない。上海蟹の胃は俗に「蟹和尚」と呼ばれ、三角形の嚢状のものが頭胸部の先端にある。その中には泥や腐肉が入っており、シナモクズガニの腸は一部生殖腺の中に埋まっていて、一部は黒色の細長い状態でえらぶたの腹壁の上を通っている。また、シナモクズガニの消化した食べ物や糞便も詰まっている。シナモクズガニのえらは頭胸部の両側にある。えらの上にもよく汚れや寄生虫が付着している。シナモクズガニの心臓は頭胸部の中央にあり、十六角形の嚢である。これらのものは食べるときに必ずみな取り除かなければならない。 だそうです。 自宅で上海蟹がいただけるなんて、すばらしいですね♪ 蘇州に住んでいてよかった〜と思う瞬間です♪ 上海蟹はレストランで食べるもの、と思っていたので、今まで詳しくは知らなかったのですが、自分でお店に行って、交渉して、いい蟹を選択して、自宅で調理する・・と思ったら、勉強しなくては!と思いまして、今回を機会にいろいろ教えていただき、勉強させていただきました。 また、蘇州のレストランで蟹を食べたいときは、こちらの「サイト」に蟹レストラン一覧(蟹宴)が掲載されていました。ご参考になさってください。 引用参考サイト:KONOKの上海蟹大辞典 http://www.shanghai.or.jp/life/konok2003/index.html ハオチー ================================================ 『蘇州はハオチー』 2005年から夫の転勤に伴い、蘇州駐在中。 毎日カメラを持参して出かけています。蘇州は上海から 車で一時間のところにある、水路が張り巡らされた とても美しい街。ガイドブックには載っていない、 蘇州の美味しいレストランや綺麗な景色を紹介します。 http://blog.livedoor.jp/mkmkmk3/ =================================================
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カテゴリー:蘇州はハオチー